女優の橋本愛が２１日、都内で行われた第３５回東京国際映画祭ラインナップ発表会に登壇した。

　２年連続のアンバサダーに就任し、「本当にありがたいことですし、光栄なこと。役目を果たさなければと背筋が伸びる思いです」と喜んだ。今年は日本映画界の課題を発信していくと話し、「一番はハラスメントや労働環境、映画界に限らず問題がある。現場を経験してきて思うことがたくさんある」と問題提起。世代間のコミュニケーション不足からくるギャップを、若者目線から指摘した。

　続けて映画の役割について持論を展開。「同性婚、ＬＧＢＴＱへの理解、環境問題の意識が薄い。歴史や伝統を守っていく姿勢は素晴らしいけど、それを守り抜く過程でこぼれ落ちる人に寄り添って、それでも生きていてほしいという思いを込めて作るのが映画、芸術であると思う」と話した。

　本映画祭は１０月２４日～１１月２日、日比谷地区など。上映会場にＴＯＨＯシネマズ日比谷、丸の内ＴＯＥＩ、丸の内ピカデリーが追加され、より大きなスクリーンで作品を楽しめる。開幕上映は二宮和也主演の「ラーゲリより愛を込めて」（瀬々敬久監督）が飾り、閉幕上映には黒澤明さんの傑作を英国で再映画化した「生きる　ＬＩＶＩＮＧ」（オリヴァー・ハーマナス監督）と注目作が並んだ。