WBC決勝実況のテレ朝・清水アナ、侍世界一の瞬間は「素の言葉で」

 8日に開幕する野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、栗山英樹監督(61)率いる侍ジャパンは3大会ぶりの世界一を目指す。今大会で決勝戦を含めた日本戦の実況を担当する予定のテレビ朝日・清水俊輔アナウンサー(42)がデイリースポーツのインタビューに応じ、世界の頂点を目指す大会を実況するにあたっての思いを語った。

   ◇  ◇   

 歓喜の瞬間は、自然体で伝えようと決めている。

 清水アナは1次ラウンドのチェコ戦(11日・東京ドーム)から、テレ朝が中継を担当する決勝戦を含めた4試合中、3試合を実況する予定。日本が優勝した際の決めゼリフは-。との問いには「言葉を用意してしまうと、なかなかうまくいかないことが多い気がして。国際大会はすごい緊張感なので、逆に素の方が視聴者には伝わるんだろうな」と打ち明けた。

 幼少期からスポーツ中継が大好きだった。野球観戦の原風景は、横浜に住んでいた時に横浜スタジアムで見た1985年の大洋-阪神戦。「両親が関西の人で阪神ファンなんです。掛布さんがいて、岡田さんがいて、真弓さんがいてというのが、僕が最初にプロ野球を見た記憶です」。

 阪神が日本一に輝いた同年の日本シリーズは「幼稚園から急いで帰ってテレビで見ていました」。以降、野球に限らず、あらゆるスポーツ中継でテレビにかじりついて育った。

 憧れる実況が二つある。一つは98年の長野五輪。ノルディックスキー・ジャンプ男子個人ラージヒルで、原田雅彦氏の大ジャンプの際、NHK・工藤三郎アナの「立て、立て、立てぇ、立ってくれ!」。もう一つが、テレビ朝日の先輩に当たる森下桂吉アナが04年のアテネ五輪の競泳・男子100メートル決勝で発した「やっぱり北島、強かった!」。どちらも、それまでの苦悩や不安、過去の失敗も知った上で国民の感情を簡素な言葉かつ、端的に表した名実況。まさに究極の表現技法だ。

 「あそこの気持ちをそのまま出すのは、実はできそうにできないこと。だから、そういうのに僕は憧れる」。時に細かな情報で選手の特長を伝え、時に黙ってでも会場の雰囲気を伝える。「現地に行きたくても行けない人がたくさんいる。僕もそうだったように、そういった人がテレビを見る。現地の空気感をそのまま伝えることを一番意識します」。

 頂点を決める決勝の実況は、日本が進出すれば注目度もケタ違いとなる。それでも「ワクワクして、楽しくてうれしくてしかたないという気持ちで放送席に座っています」と自然体だ。スポーツへの尊敬と感謝を込め、テレビの前のファンを言葉で会場にいざなう。

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