行方不明の船頭を遺体で発見 父も落水で死亡 京都・保津川川下り船転覆事故

 京都府亀岡市の桂川(通称・保津川)で観光客向け川下りの舟が転覆し船頭1人が死亡した事故で、京都府警は30日、現場の約400メートル下流の水中で、行方不明となっていた船頭の関雅有さん(40)=同市=がうつぶせで沈んでいるのが見つかったと発表した。関さんは死亡が確認され、事故の死者は計2人となった。

 舟を運航する保津川遊船企業組合の豊田知八代表理事は亀岡市の事務所で記者会見し、関さんの父親も保津川下りの船頭で2015年に操船中に落水して死亡したことを明らかにした。「心よりお悔やみ申し上げる」と話した。

 豊田氏によると、事故ではかじ取り役の船頭がバランスを崩して落水。その後、かじの位置が動き、手が届きにくい状態になった。関さんもかじを取ろうとしたができず、進行方向を制御できなかったという。

 府警によると、発見は30日午前10時50分ごろ。関さんは腰に巻くベルト型の救命具を着けていたが、作動した形跡はなかった。豊田氏は、救命具が手動式だったため、膨らませられなかった可能性があるとした。府警は死因を調べている。

 府警や組合によると、事故は28日午前11時ごろ発生した。乗客25人と船頭4人の計29人全員が川に落ち、船頭の田中三郎さん(51)が死亡。客25人と、船頭2人は救助された。

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