元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が２４日、フジテレビ系「日曜報道　ＴＨＥ　ＰＲＩＭＥ」に出演。出直し選挙で再選を果たした斎藤元彦兵庫県知事について言及した。

　番組では、斎藤知事に持ち上がった公職選挙法違反の疑惑について取り上げた。兵庫県知事選を巡っては、斎藤氏の公式ＳＮＳの運営に携わった兵庫県のＰＲ会社の代表がネット上で「広報全般を任された」などとつづった。総務相は、業者に選挙運動用サイトの文案を企画作成させる場合、一般論としては選挙運動の主体として解されることから、報酬は買収となるおそれが高いものと考えられるとして、買収公職選挙法に触れる可能性が指摘されると番組では伝えた。

　これについて斎藤氏「公職選挙法に抵触するようなことはしていないと認識しています」と否定したことも紹介した。

　また、斎藤知事を巡る内部告発問題で、百条委員会での井ノ本知明元総務部長の証言が公開された。当初、元県民局長の処分は公益通報の調査結果が出てからとしていたものの、井ノ本氏は「知事の方からは『風向きを変えたい』と。（騒動を）早く鎮めたいという思いもあったと、私は推察しまして、その意見を指示として受け取りました」と語り、急きょ処分を早めた理由を語ったことも紹介した。

　橋下氏は「斎藤知事が選挙で選ばれたことは大変重いです。有権者の判断です。ただ政策面とかそういうものに関しては民意で決める話ですけども。特定の職員に対しての処分、権力の行使は、これは法の話で、ある司法の領域の話ですから選挙で決める話ではありません」と知事の再選と内部告発問題は別の問題と指摘。「一番問題なのは、『風向きを変えたい』ということを理由として処分したんだったら、権力の行使として大問題ですね」と断じた。

　「ただ一点、メディアの方であまり報じられてなかったことなんですが、亡くなった元県民局長、服務規律違反がおそらくいろんな情報からすればあったということが前提にあります」としたうえで、「だから規律違反があれば処分してもいいじゃないかと単純に考えてしまうんですが、告発する内容がある程度真実、全部じゃなくてもね。一部でも真実があり、そのことで県庁組織が正された。斎藤さん、職員とのコミュニケーションの仕方“ちょっと問題あったかも分からない。考えていきますって”って言ってたっていうことは、斎藤さん態度、振る舞い変えたわけです。利益があったんであれば、告発者に多少の規律違反があっても処分を減免するっていう考え方もあるんです。それを含めて調査の結果が出るまでに処分をしたというのは」と述べた。

　「斎藤さんの権力行使はＰＲ会社に対しての公選法の問題を含めて…。ちょっとねえ、第三者の声を聞いて判断することに欠けてるなと思いますね」と私見を語った。