【山田美保子のミホコは見ていた!】美しい人、いしだあゆみさん、逝く
17日、「報道ステーション」(テレビ朝日系)のトップニュースは、11日、甲状腺機能低下症のため東京都内の病院で亡くなったいしだあゆみさん(享年76)の訃報だった。翌18日の「羽鳥慎一モーニングショー」(同)でも、NHKの朝ドラ終わりで多くの視聴者が移動してくる8時14分のタイミングで報じられていた。近年、芸能人の訃報をスルーするニュース番組やワイドショーが少なくない中、これは異例のこと。その理由は「ブルーライト・ヨコハマ」の大ヒットや、「北の国から」を始めとする倉本聰作品、社会現象となった“金妻”こと「金曜日の妻たちへ」(TBS系)などなど、60歳超えの視聴者にとって忘れられない名作で、いしださんが輝き続けていたからに他ならない。
近年の昭和歌謡ブームにより度々目にした20代の頃のいしださんの映像に「大人っぽい」という感想を抱く人は多かったと思う。1970年代半ばから登場する女性アイドルたちよりも前に活躍していた女性歌手の多くは確かにみんな大人っぽくて色気があり、その筆頭がいしださんだった。
衣装も私服もいつも素敵で、特徴的なアイメイクやエレガントなヘアスタイルは同年代の女性がよく真似していたし、少し年下の筆者の世代にとっては憧れのおねえさんのような存在だった。
グループサウンズブームで沢田研二と双璧をなしていたショーケンこと萩原健一さんと結婚されたことにも心から納得。披露宴を行った東京・芝公園のフレンチの名店「クレッセント」のバルコニーからカメラに向かって笑顔で手を振った美しすぎるツーショットは今も目に焼き付いている。
あのティン・パン・アレーと組んで「歴史的名盤」と言われた「アワー・コネクション」は、日本を代表する名プレイヤー、名プロデューサーらからもいしださんの歌声や音楽への高い志が一目置かれていた証拠。
さらにはトーク番組でのチャーミングでユーモア溢れる言動の数々も忘れられないし、周囲の方に対する気配りや目配り、優しさなどが自然と身についていらっしゃるお人柄にほっこりさせられた。
晩年はミニマリストとしても知られていたいしださんは、出演作に関わる品々も捨ててしまうという潔さだった。
お若い頃のファッションも素敵だったけれど、60代を過ぎてからの和服姿も凛とされていて本当に素敵だった。
外面も内面も美しかった、いしだあゆみさん、大好きでした。合掌。
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