女優の鳴海唯（２６）が着実にステップアップを果たしている。ドラマでは昨年のＴＢＳ系「あのクズを殴ってやりたいんだ」、「Ｅｙｅ　Ｌｏｖｅ　Ｙｏｕ」、今年もフジテレビ系「秘密～ＴＨＥ　ＴＯＰ　ＳＥＣＲＥＴ～」などに出演し、存在感を見せた。さらに役者として露出が増えると同時に２３年８月の発売の写真集「Ｓｕｇａｒｌｅｓｓ」（玄光社）が１年半をかけて重版となるロングセラーでブレークに近づいていることを証明した。

　あふれる透明感と明るい笑顔が魅力だ。話題のドラマ出演に後押しされるように、１年半をかけて重版とした写真集。「気づいたら手に取ってくださる方が増えていた状況で、思い返せば写真集を出してからコンスタントにお仕事を続けられていた。自分が出た作品で知ってくださったんだと実感した」と心境を語った。

　地上波だけでなく、配信ドラマなど途切れることなく人気作へのオファーが続く。今の状況に至るまでには「縁」を大事にしてきた。「去年は数年前に一緒にお仕事をした人とまたご一緒する流れが多かった」という。「いつもスタッフさんとかに『楽しかったのでまた一緒にやりたいです』って最後に伝えてきました。そういう思いは大切にしたい」。これまでの現場で誠実に向き合ってきた成果でもあった。

　元々、女優を目指したのは小学生の時に上野樹里主演のドラマ・映画「のだめカンタービレ」を見て憧れたことがきっかけ。ただ、なかなか言い出すことができなかった。その中で大学１年の時に広瀬すず主演の映画「ちはやふる－結び－」のエキストラに応募。同年代の役者の演技を間近で見たことで夢を追う決意が固まった。

　大学を入学から半年で辞めて上京した。「すごい焦燥感に駆られて、いても立ってもいられなくなって大学を辞めた。小学生の時から思っていたものがどんどんたまっていて、エキストラで撮影を近くで見たことがあふれる最後の１滴だった」

　当然、親には反対されたが説得した。「大学を１年の前期で辞めるって相当の親不孝。よく許したなと。でも今となってはすごく応援してくれている。感謝しています」。地元の友人や両親に送り出してもらった際には「売れるまでもう帰ってこないから」と宣言して７年が過ぎた。

　２３年にはＮＨＫ大河ドラマ「どうする家康」にも出演。共演した嵐・松本潤の現場での振る舞いには感銘を受けた。「あるシーンの自分の芝居で違和感があったけど、先輩方がたくさんいらっしゃる中で言い出せなかった。その時に松本さんが気づいて『鳴海ちゃんさ、どうここ？』って聞いてきてくださって。そこで私が初めて口を開けた。私にも気配りをしてくれて同じ目線で考えてくれて本当にうれしかったです。同時に自分のことしか考えられていない自分が恥ずかしいと思いました。私も視野の広いかっこいい人になりたいと思えた」と貴重な経験も積んだ。

　現在は、さらなる活躍の場を求めて英会話も継続して取り組み、将来的な海外進出も見据える。「いつか海外の映画祭に出るような作品に出演して、海外で自分の言葉で自分の作品を紹介したい」。大ブレークの時は近づいている。

　◇鳴海　唯（なるみ・ゆい）１９９８年５月１６日生まれ。兵庫県西宮市出身。１９年度前期のＮＨＫ連続テレビ小説「なつぞら」出演。２１年の「偽りのないｈａｐｐｙ　ｅｎｄ」で映画初主演。２３年のＮＨＫ大河ドラマ「どうする家康」、２４年にはＴＢＳ系ドラマ「Ｅｙｅ　Ｌｏｖｅ　Ｙｏｕ」でゴールデン・プライム帯の連続ドラマ初レギュラー。現在、カンテレ・フジテレビ系「秘密～ＴＨＥ　ＴＯＰ　ＳＥＣＲＥＴ～」に出演中。趣味・特技は運動全般。身長１５６センチ。血液型Ａ。