フジテレビの系列局である関西テレビ・大多亮社長（６６）が４日、大阪市内の同社で会見を開き、社長辞任を発表した。同日に行われた臨時取締役会で承認された。元タレントの中居正広氏（５２）と元フジテレビアナウンサーの被害女性Ａさんのトラブルが起きた際には専務だった大多氏は、フジテレビの港浩一社長、嘉納修治会長に続き、一連の騒動に対する引責の形での辞任。会見では、改めて中居氏への強い憤りを表した。

　フジテレビの港社長、嘉納会長に続き、中居氏による性暴力発生当時に同局専務だった大多氏も電撃辞任。その発表会見中、中居氏について話題が及ぶと、こみ上げてくる怒りを隠し切れず。おのずと語気が強まった。

　「中居氏が、言ってみれば、うそとは言いませんけども、ああいうかたちで（被害女性を）呼び出して２人になってしまったっていうのは、プライベートというのは最初の報告からもっていましたけれども。あれはひどいと思いました」

　１月の会見でも、中居氏への感情について「ある種の怒りなのか」と問われると、「そう取っていただいて結構です」と言い切っていた。フジテレビの第三者委員会による調査報告書でも“性暴力”と認定された今回の事案。改めて中居氏へ怒りを抱いているかと問われると、「これが適切かどうかはわからないですけど…、コメントもないです」とキッパリ。言葉では言い表せないほどの感情が口をついた。

　被害者の女性Ａさんに対しては「Ａさんの心情に寄り添うことができず、彼女を苦しめてしまったことは本当におわびしたいと」と謝罪。調査報告書で、問題解決への対応が「責任転嫁」だったと指摘を受けたことには「自分たちはこれでいい、よかれと思ってやっていたことが（被害を受けた）彼女にとっては全然違っていたという指摘は本当に情けないというか、そういう発想になかったということが一番大きな反省点」と渋面を浮かべた。

　報告書では、中居氏の問題にとどまらず、特定の男性有力番組出演者との会合に女子アナや女性社員を同席させていたことも問題視された。１月の会見では「性の上納」を完全否定してたことを追及されると、「あの時『性の上納』『性の献上』というふうにセンセーショナルな言葉でありましたし、私は食事会、懇親会という意識でありましたから。全然、別物」と釈明。それでも「不快な思いをしたということが書いてありましたが、そう感じた方がいるならば申し訳ないという思いしかないです」と謝罪した。

　被害女性に対しては「おわびしたいです。会っていただけるかどうかはわからないですけど、今みたいな自分たちの対応が傷つけていたわけですから。とにかく謝りたいです」と、真摯に謝罪の言葉を並べた大多氏。報道陣から「（辞任は）逃げたと捉えられかねない」という厳しい質問には「私が社長でいることが、関西テレビの会社としてのブランディングであるとか直接的な営業的な被害であるとか、これはもう止まらない」とし、「逃げるというよりは、それが一番いい道。逃げたという意識はないです」と言葉を絞り出した。