中居正広氏と女性のトラブルに端を発した一連の問題で、フジテレビは３月３１日、第三者委員会の調査報告書を公表した。５日に生放送されたＡＢＣテレビ「正義のミカタ」ではこの問題を特集。中居氏のマンションで二人きりの状態で起こった本事案について、中央大学法学部卒の弁護士で、中央大学法科大学院教授でもある野村修也氏が、重要な２点を挙げ、解説した。

　一つ目は「日本には刑法で、『不同意性交罪』（不同意性交等罪）という犯罪がある。それにあたるかは認定していない」こと。今回は「ＷＨＯの性暴力の定義にあてはまる、とした。これが甘いんじゃないか、という指摘がある」とも指摘した。

　二つ目は「トラブル自体を業務の延長線上としてとらえるのは非常に難しい点があった」が、「業務の延長線上」と認定されたこと。「当日は、中居くんが（女性アナを）誘って、フジテレビの職員の方は一切関与することなく、２人で会った。“個人のトラブル”と見える」と認定の難しさに言及。

　「接待のような場に、女性アナウンサー、特に性別、年齢、容姿、それによって選抜されたような人たちを、いわば連れだって接待が行われていた。そうすると、自分はその役割を果たさなきゃいけない、と思ってしまう。万が一、断って、相手方を怒らせてしまったら、会社に迷惑かけるんじゃないか、と金縛りにあったような状態。（だから）仕事の延長線上じゃないか、と認定を受けた」と解説していた。

　第三者委の報告書では、ＷＨＯが定義する「性暴力」について「同意のない性的な行為」が広く含まれており、「性を使った暴力」全般を意味するとしている。