中原ひとみ 故・江原真二郎さんとの第一印象「イヤ」も育んだ恋愛感情 「絶対離婚しないぞ」決意した結婚
邦画黄金時代の昭和30年代に東映のスター女優として活躍した中原ひとみ(88)の主演映画「純愛物語」(1957年)が、今月8日に東京・丸の内TOEIで開催中の「昭和100年映画祭」で上映され、中原が舞台あいさつを行った。元気な姿を見せた中原がこのほど、デイリースポーツの取材に応じ、同作で恋人役を演じ、60年に結婚した俳優の江原真二郎さん(2022年死去)への思いや結婚秘話、現役へのこだわりなどを明かした。
中原と江原さんとの出会いは、広島で被ばくした少女(中原)と戦災孤児の少年(江原さん)との悲恋を描いた「純愛物語」に先だって製作された「米」(57年)で、きょうだい役だった。
スターの中原に対し、江原さんは京都撮影所の大部屋俳優からの抜てき。第一印象は「輪の中に入らない人でした。私そういうのがイヤでね、なんで一緒に入らないの?っていう感じを受けていました」と、さほど芳しいものではなかった。
続く「純愛物語」では関西なまりが抜けない江原さんに標準語を指導するなどして親しくなり、中原にとっては初の本格的なキスシーンも経験したが、当時はともに仕事に一生懸命で、恋愛感情は芽生えなかった。
「純愛物語」はベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。「裸の太陽」(58年)で江原さんの恋人役をやりたいがために抵抗した中原だったが、会社に押し切られて渡欧した。心情は「その頃ちょっと好きだったのかな」から「今は名もない男だが」(同)では「少し恋愛感情があったかもしれない」、「素晴らしき娘たち」(同)では「恋愛感情がありました」と変化し、交際が始まった。
江原さんが東映の重役スター、片岡千恵蔵さんに「結婚するかも」と話すと「変なふうに騒がれる前に結婚しちゃえ」と関係は一気に進行。「結婚するかどうかなんて決まってないうちに、一生好きでいられるかなんて自信もなかった」まま婚約発表に至った。
中原は「芸能人はすぐ離婚するよなんてバカにされるのがすごくイヤで、絶対離婚しないぞ」と決意して結婚。「離婚しませんでした。貫きました」と胸を張る。
江原さんの人柄を「ああいう人はいません。人間的にいい人、素晴らしい人でしたね。私が幸せならいいという根底があるから何でも許して、私の幸せなようにずっとやってきてくれたから。娘が『パパじゃなきゃマミーは務まらなかった』と言っていたけど、本当に全て江原のおかげ」と懐かしむ。晩年に進行性核上性まひを患った江原さんの看護、介護を「今度こそと思ってできる限り一生懸命尽くしました」と振り返った。
映画では今井正、山本薩夫、内田吐夢、深作欣二ら巨匠に重用され、舞台では森光子さん、杉村春子さん、山本富士子ら大女優から引っ張りだこだった江原さんの演技力を「すごかった。いろんな役を全部こなしていたし、人間としても俳優としてもああいう人はなかなかいない」と説明。今回のような機会に江原さんを「見直してもらうとうれしいなと思う」と、再評価を願っている。
88歳になった中原だが「その年その年で生きた経験が積み重なっていくから、元気であって頭がぼけてなくセリフを覚えればいくつでもできると思っているから、引退という言葉は使いたくない」ときっぱり。64年来の趣味であるマージャンを生かし、日本健康麻将(マージャン)協会の健康麻将大使として普及に尽力しつつ、俳優のオファーを心待ちにしている。
◇中原ひとみ(なかはら・ひとみ)1936年7月22日生まれ、東京都出身。53年、第1期東映ニューフェイスで映画界入り。スター女優として活躍し、片岡千恵蔵さんや高倉健さんとも多く共演。63年以降は石井ふく子氏の誘いでテレビに移行。代表作に映画「姉妹」「米」「純愛物語」「森と湖のまつり」、ドラマ「ただいま11人」「祭りばやしが聞こえる」「真夜中の匂い」など。私生活では60年に江原真二郎さんと結婚。1男1女をもうける。身長150センチ。愛称はバンビ。
◆昭和100年映画祭 昭和100年にあたる2025年を記念して、7月27日に閉館する東映最後の直営館・丸の内TOEIで、映画会社の枠を超えて昭和の名作・ヒット作42本を5月8日まで上映。「純愛物語」の上映は終了したが、今後も「丹下左膳餘話 百萬両の壺」「羅生門」「東京物語」「二十四の瞳」「ゴジラ」「幕末太陽傳」「天国と地獄」「武士道残酷物語」「昭和残侠伝」「男はつらいよ」「砂の器」「新幹線大爆破」「犬神家の一族」などが上映される。
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