本広監督が明かす「踊る大捜査線-」14年ぶり復活の舞台裏 俳優・織田裕二、刑事・青島も成熟期 後輩に和久、室井の魂伝承
平成のメガヒットシリーズの本編が14年ぶりに復活する。映画「踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!」が18日の公開に向けてカウントダウン中。主演の織田裕二(58)演じる青島俊作が、警視庁捜査一課の刑事となって帰ってくる。スピンオフを経て、再始動した舞台裏を本広克行監督に聞いた。
「踊る」の新章が開幕する。1997年の連ドラを経て、劇場版4作すべてが大ヒット。本編としては「FINAL」を銘打った2012年以来、14年ぶりの新作で、主人公・青島は58歳の設定だ。
24年公開のスピンオフ「室井慎次 生き続ける者」のラストに青島が登場するが、当初は予定されていなかったという。脚本を読んだ織田からの提案で出演が決まり、本編復活が動きだした。
二部作だった「室井-」も「FINAL」以来、12年ぶりの作品。製作の亀山千広氏と脚本の君塚良一氏の強い旗振りがあり、本広監督も「最初は『FINALと言ってたのに?なんでいま?』みたいな感じだったんですけど、特に君塚さんの思いが強かった。室井さんに決着をつけたいって。それで僕も織田さんも巻き込まれていった」と経緯を説明する。
今作も、当初は青島が捜査一課の前に所属したSSBC(捜査支援分析センター)時代の物語として構想されていた。君塚氏と亀山氏が脚本開発を進め、首相官邸の危機管理室で事件に巻き込まれる内容だったという。
だが、本広監督が求めたのは「走る捜査線」。「今の東京と青島を描くには、走っている方が面白い。織田さんには苦労していただいて、変わらず走っている方がすてきだと思ったんですよね。織田さんも『これやるの?』と言いつつ、すぐにOKしてくれました」
結果、後方支援が中心の部署から最前線へと復帰。すでに大勢を引き連れ、新宿を走り回っている映像が解禁済みだ。
実際に歌舞伎町や大ガード下でロケしており、東京都によるフィルムコミッションが全面協力して実現。「脚本では渋谷だったんですけど、大規模工事中で無理。パズルを作り替えて、そしたら高速道路も使えるとなって、織田さんが『キックボード使うのはどう?』と提案してくださったり、いろんなものを詰め込みました」。14年の空白を埋めるように、青島がメトロポリスを駆け回っていく。
指導役だった先輩刑事・和久(いかりや長介さん)が青島と出会ったのが58歳。同じ年となった青島が、新たに参戦する若い世代たちに和久や室井から受け取った思いを伝えていくのが今作の見どころでもある。
「織田さんも昔は『主役!』って感じだったのが、今はゆったりとされているからやりやすくてしょうがなかったですね。前はもう、言うこと聞いてくれなかったから」
「この前、その話をして一緒にバカ笑いしましたけど」と目尻を下げるように、キャリアを重ねて俳優・織田も刑事・青島も成熟。スクリーン内外で後輩を導く姿に説得力が生まれている。
「室井-」では、退官した室井が里親として2人の少年を育てる姿が描かれた。「あの2人が青島の下で働くってなったら面白いなと思っています」と構想の一端を披露。新キャラたちの裏設定も描き切れていないという。映画には「THE ODORU LEGEND STILL CONTINUES」とあり、踊るワールドはまだまだ広がりそうだ。
◆本広克行(もとひろ・かつゆき)1965年7月13日生まれ。香川県丸亀市出身。92年にドラマ「悪いこと」で監督デビュー。96年の「7月7日、晴れ」で初めて映画の監督を務めた。97年にスタートしたドラマ「踊る大捜査線」のチーフ演出に抜てきされ、以降のシリーズを担当。他の監督作に映画「サマータイムマシン・ブルース」「UDON」「幕が上がる」「亜人」など。
