伊東四朗 卒寿迎える来年6月15日で芸能界を引退 「90歳で区切りがいいからここで引退したい」と申し入れる
日本を代表するコメディアンで俳優、司会者としても活躍している伊東四朗(89)が1日、卒寿(90歳)を迎える来年6月15日の誕生日で芸能界を引退すると公式サイトで電撃発表した。体が「急速に退化」したことなどを理由としている。所属事務所のオルテ企画は同日、デイリースポーツの取材に対し、引退発表に至る経緯や、伊東の思いなどを明かした。
東京喜劇の王様が、舞台を降りると決断した。伊東は「来年の6月15日をもって90歳、いわゆる卒寿を迎えます。突然ですが、卒寿をもちまして引退をさせていただきます」と表明。「『眼、耳、脳、腰、膝…』すべてが急速に退化。ドラマ撮影ではスタッフ、キャストに迷惑をかけることに…」と理由を明かした。
本紙の取材に応じた所属事務所の担当者は、伊東に大病などはなく、健康状態は「年相応の衰え」と説明。引退の決断は本人が下したという。
担当者は伊東が「前々から『衰えてきて人に迷惑をかけることがあったら遠慮なく言ってくれ』とは言っていた」と振り返り、今年6月15日の伊東の誕生日に「『(来年は)90歳で区切りがいいからここで引退したい』と申し入れがあった。『1年後こういう風にしたいんだ』と相談を受けた」と打ち明けた。
文化放送は1997年4月放送開始の「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛(パッション)」を来年6月12日の放送で終了すると発表。伊東の所属事務所は「いろんな意味で仕事の区切りがついてきた」とも話した。
1958年に劇団「笑う仲間」に参加してから、喜劇の最前線を走り続けている。三波伸介さん、戸塚睦夫さんと結成したてんぷくトリオでブレークし、76年開始のバラエティー番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」から生まれた異形のキャラクター・ベンジャミン伊東と、デンセンマンのテーマ曲「電線音頭」で国民的人気を博した。
俳優としてはヒロインの父親役を演じたNHK朝の連続テレビ小説「おしん」や不気味なキャラクターが当たり役となった「笑ゥせぇるすまん」など多くのドラマや映画、舞台で名演を披露。「伊東家の食卓」や「脳内エステ IQサプリ」などバラエティーのとぼけた司会でも愛された。
2004年には三宅裕司らと「伊東四朗一座」を旗揚げ。今年も8月31日と9月9日にイベント「伊東四朗一座リターンズ!?」を開催し、配信中のプライム オリジナル「犯罪者」に出演するなど元気な姿を見せている伊東だが、「いい爺ィになりました。これからは観させていただき、聴かせていただきます。皆さん、ありがとーッ!」と感謝を告げた。
70年近く芸能界を駆けてきた生ける伝説のラストランが、始まる。
◆伊東四朗(いとう・しろう)1937年6月15日生まれ、東京市下谷区(現東京都台東区)出身。61年、三波伸介さん、戸塚睦夫さんと「ぐうたらトリオ」結成。「てんぷくトリオ」に改名し、テレビ演芸ブームで人気を確立。76年開始の「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」で演じたベンジャミン伊東と楽曲「電線音頭」は社会現象に。俳優としてもドラマ「おしん」「笑ゥせぇるすまん」などで好演し、「伊東家の食卓」など司会でも活躍。2004年に三宅裕司らと「伊東四朗一座」を旗揚げした。
