10代から活躍の歌姫が死去 家族に看取られ安らかに 2015年に完全引退
北アイルランドの歌手クロダグ・ロジャースさんが死去した。78歳だった。
1971年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストでイギリス代表として歌った「ジャック・イン・ザ・ボックス」や「カム・バック・アンド・シェイク・ミー」などで知られるクロダグさん、短い闘病生活の末18日に帰らぬ人となったことを息子サムさんがフェイスブックに発表した。「この3年間病気と闘ってきた私の愛する素晴らしいママ、クロダグが悲しいことに亡くなりました。昨日、コブハム(イングランドの村)で家族に囲まれながら安らかに息を引き取りました」「ママは愛と幸せに満ちた素晴らしき人生を送りました」「素晴らしいパフォーミングキャリア、世界中を旅して息子2人に人生を捧げ、家族を支えてきたのです。ママのいない人生は同じものとはなりませんが、父親、乳母、パパと同じ場所で安らかに過ごしていることでしょう」
10代で歌手としてのキャリアをスタートさせたクロダグさん、1960年代から70年代にかけて多くのテレビ出演を果たし、ユーロヴィジョンで4位入賞した後、「アナザー・タイム、アナザー・プレイス」をリリースする予定だったが、エンゲルベルト・フンパーディンクが自身のバージョンをレコーディングしたことで中止に、代わりに「レディ・ラヴ・バグ」をリリース、これが最後の英チャートトップ30入りとなるが、テレビ出演の常連であり続け、ビスト社のグレービーソースの広告の顔を務めた。
ロンドン、ウエストエンドのミュージカルにも出演し、「ポンプ・ボーイズ・アンド・ダイネッツ」では主演を果たしたクロダグさんだが、1987年にイアン・ソルビーと結婚し息子2人をもうけた後に音楽活動から退いた。1990年代後半にはミュージカル「ブラッド・ブラザーズ」のイギリスツアーに参加、2001年には警察ドラマシリーズ「ザ・ビル」にレギュラー出演するも、2015年までにはショービジネスの世界から完全に引退、当時のインタビューで、静かな生活を楽しんでいるところで華やかな業界を恋しいとは思わないとして、「あの頃はあの頃、今は今。私は今を生きている」と話していた。