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小林克也 長寿番組「ベストヒットUSA」一度終了した理由…「ねるとん」の脅威

 洋楽ヒットナンバーを紹介する渋い声は80歳を目前にしても健在だ。デビュー50周年を迎えたDJ小林克也(79)が司会を務めるBS朝日「ベストヒットUSA」(金曜、深夜0時)は1981年にスタートし、89年に終了。03年に再スタートして現在も続く長寿番組だ。いったん終了した背景には何があったのか。「ベストヒットUSA」収録終わりに小林を直撃した。

 -「ベストヒットUSA」は1981年にスタートしました。小林さんはオファーがあった時、ラジオなどで忙しくテレビの仕事は拘束時間が長いから断った。しかし、マネジャー兼奥様が受けた。番組はいったん終わったものの復活して現在も続いています。

 番組が果たしている役割は聞いていました。例えばゲストが出る。すると、東京では以前土曜夜の放送だったんですが日曜日のレコードの売れ行きが違うんです。ゲストのレコードが普段の3倍から5倍売れるっていうのを聞いて、視聴者に知ってもらうという点ですごい意義があるんだなと思いましたね。

 -影響力がある。

 そうですね。放送開始から6カ月くらいたったころ、テレビ朝日のディレクターの結婚式に招待されたんです。丸いテーブルでビートたけしさん、ビートきよしさん、テレ朝の社長と同じ席でした。社長から「小林くん、あの番組ちょっと続くよ」って言われて「ええ!」ってびっくりしましたね。半年で終わると思ってましたから。あのころ…80年代前半は夜の11時台はあまり耕されてなかったんです。

 -各局とも午後11時台はあまり番組作りに力を入れてなかった。

 ええ。プラーイム(自然に英語の発音)じゃなかったんです。歴史が変わるのは僕らの番組じゃなかった。僕らの番組は健闘していたけど歴史を変えたのはとんねるずの「ねるとん紅鯨団」(関西テレビ系 87年~94年)。あったでしょ。あれが爆発的人気になって午後11時台という時間帯が注目されるようになったんです。それは「ベストヒットUSA」が終了する始まりだったわけです。「ねるとん」の人気が非常に高かったからテレビ局は夜11時台でも見てくれるんだと分かった。それで色んな番組がぶつけられるようになりました。「ベストヒットUSA」は洋楽に特化した専門的な番組なので結果、押し出される形になりました。

 -当時も今も洋楽専門のテレビ番組は珍しい。

 あの番組が作られた背景があります。博報堂で新しい番組を作っていこうという開発部門のようなところができたんです。そこが80年代について、各家庭がビデオデッキを所有することが当たり前の時代になるだろうと予測したんです。1世帯でデッキを2台持つようになり、テレビを録画して見る時代になるだろうと。そうすると家族が居間に集まってテレビを見るという形態が変わり、自分たちの部屋で見ることになるだろうと。そういう見通しのもと、スポンサーをブリヂストンの1社提供で始めたんです。1社だと番組作りにおいて好きなことができる。

 -それで洋学専門番組が生まれた。

 ブリヂストンもあの番組で実験的に1分の長いCMを流したんですよ。全盛のころはショーン・コネリーを使ったCMもありました。でも「ねるとん」の人気が高くなるにつれ、「ベストヒットUSA」も(視聴率が)とれないと分かっちゃった。しかも、午後11時台の競争が増したことでスポンサー料も上がったんです。ブリヂストンとしては「そんなに値上げされるの」って気持ちがありますよね。同じ内容の番組が値上げじゃ困るなってことで企画を作り直してまたぶつけようと。それであの番組は終わりました。ひとつの時代の終わりですよね。

 -BS朝日から話が来た時はどのように。

 ちょっと緊張しましたね。今話した流れを知っていましたから。今度やるなら今までのような感じでやってはダメだろうと。

 -では80年代のころとはだいぶ変えて。

 僕はときどき言うんですけど…だれでもYouTubeで手軽にミュージックビデオを見ることができる時代に自分たちはどうしたらいいのか。かつて夢中になったグループはどんな人たちだったのか、どういう時代だったからうけたのか、そういうことを解き明かしていくことが使命じゃないかと。例えばジョン・レノンを特集したときです。「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」(ビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」収録)についてジョンは、自分の子供がダイアモンドを持ったルーシーの絵を描いたんだってエピソードを残してますが、それはどうなのかなと。ジョンはそんなことで曲にしない。

 ※小林が考える「ルーシー」の真実とは。See you next month!

◆◆◆◆◆

「ベストヒットUSA」18日はジャズトランぺッター黒田卓也出演

 日本人として初めて米ブルーノート・レコードと契約したトランペッターの黒田卓也が18日に「ベストヒットUSA」(金曜、深夜0時)に出演し、コロナ禍で激変したニューヨークの音楽シーンの現状を明かす。

 黒田は2003年に渡米。11年のセカンドアルバム「Edge」は全米ラジオチャートの3位に。「Starting Five」はテレビ朝日「報道ステーション」のテーマ曲(16年4月~20年3月)にもなった。

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