外国人タレントの限界と本当にやりたいこと…

 「ニッポン愛&Sarah、s eye=第4回」

 NHKさんの「花子とアン」でデビューさせていただいたことは大きくて、いいバネになりました。バラエティーではTBS系「所さんのニッポンの出番」で、2年間ほど準レギュラーでお世話になりました。日本の芸能界でいい仕事をさせていただいています。ニューヨークやロサンゼルスでしたら、10~20年頑張っても仕事をもらえないのは珍しくないですからね。感謝しています。

 日本は仕事しやすいですか?と聞かれます。ある意味ではそうなんですね。外国人タレントさんはいっぱいいますけど、まだ少数派ですので。目立ちやすいし覚えてもらうのは割と簡単なんですね。

 ただ、怒りっぽい、オーバーリアクションのキャラクターは日本人が外国人に求める“決まった像”になっているのは残念だと思います。そこから離れた役がそんなになくて寂しいですね。シェイクスピアが大好きな舞台俳優から見ると、「ずっとこのままでは…」という感じもします。外国人という枠から離れて、自分のやりたい仕事や挑戦したい役があるかどうかは、また別問題なんですね。

 最近、ナレーションやレポーター系の仕事が多いですが、やっぱり舞台が私のホームですね。稽古期間中、じっくりみんなで作り上げていくプロセスが大好きですし、本番で一瞬一瞬、お客さんとコミュニケーションを取りながらの表現も大好きです。幕開けからカーテンコールまで、役者とお客さんのコラボレーションです。

 問題は、まだ日本の言葉で遊べる余裕が足りないことなんですね。日本語で会話はできますし、伝えたいことをだいたい伝えられますが、母国語と比べて表現の幅が狭いです。サラが出演しているんじゃなく、役に消えるくらいの日本語の演技力が欲しいですね。

 今年2月にオペラに初挑戦させていただきました。共演者の方は「もっと国際的に活躍するべき」と褒めてくださったのですが、他方、ツイッターでは「なんで外国人タレントがやってるんだ。顔だけでしょ」と批判を受けたんです。テレビに出た時から「どうせ顔だけでしょ」という意見もまだ残っていて、悲しいのと悔しい思いもありました。

 それでもオペラを通して、外国人であることを生かすのでなく、自分のできることを発揮する喜びを見いだしました。諦めずに頑張れば、限界を突破できるんじゃないかと。やってみせたいと燃えてきましたね(笑)。

 ◆サラ・マクドナルド(Sarah Macdonald)1990年8月12日、米マサチューセッツ州生まれの26歳。14年にNHK連続テレビ小説「花子とアン」でデビュー。女優としてドラマ、舞台、バラエティー番組など幅広く活躍中。

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