日本独特の美意識「儚さ」に惹かれて…花火、そして、よさこい

 「ニッポン愛&Sarah、s eye=第17回」

 みなさん、夏休みはいかがお過ごしでしたか?

 前回の記事でも書きましたが、私は今年も南国の炎天下でよさこい踊ってきました!いつか避暑地に行ってリラックスしてみたいと思いますが、踊り続けられる限り難しいですね。みなさん、どうぞ私の分までお楽しみください(笑)

 前にも花火の爆発音とシュッと落ちる静寂と、そのメリハリと伝統芸術の関係にはちょっと触れましたが、今回はもう一つ花火に関する日本独特の美意識について書きたいところがあります。それは「儚さ」です。

 世界中に美化されてますが、日本ほど「儚さ」をロマンチックに考える国がないかもしれない。四季の移ろいも心の移ろいも。そして花火。巨大な花火大会から小さな線香花火まで。歴史と伝統を大切にする日本なのに、この儚さに惹かれてしまうんですね。

 今年2月に出させていただいたオペラの千秋楽の後に、笈田監督が「私たちの仕事は花火だ」と言いました。一生懸命作り上げた舞台が一瞬で終わってしまうんですね。それは儚くて切ない。だからこそ美しくて意味あるものだと思います。

 よさこいもそうです。

 よさこいは半年以上の準備期間があるのに対して高知の本番がたった2~3日間と、一瞬で終わってしまうんです。もちろん準備しているのは踊り子だけではありません。振り付け・衣装・曲の制作に関わっている方、舞台・照明・音響設備を設置する方、アーケード街で営業している方、高知県商工会議所連合会とよさこい祭振興会などなど。毎年この数日のお祭りのために時間を割いて頑張っています。

 趣味とは言っても、プロの舞台や撮影と同じく、多くの人に支えられて作るものです。ただ一つ違うのは、映像ならお客さんとコミュニケーションはあまり取れません。舞台の場合、まぶしいステージ上と暗いホールと、空間を共有していますが、分けられてます。でも、よさこいは明るい街の中、お客さんに触れる距離で踊るんですね。「私は演舞を見せてます!」と固くならず、お客さんと目があったらニコッと笑ったり、お礼を言ったりすることは許されてますし、お客さんがうちわをバタバタしながら「頑張ってください!」と応援してくれるんですよ。お互いに元気を届け、お互いに感謝する素敵なお祭りです。

 と、またまた長くなりましたね!

 夏のイベントは練習のためあまり行けなかったですが、次は芸術(と食欲!)の秋。仕事で頑張りながら、大好きなこの季節を五感で楽しみたいと思います!

 ◆サラ・マクドナルド(Sarah Macdonald)1990年8月12日、米マサチューセッツ州生まれの27歳。14年にNHK連続テレビ小説「花子とアン」でデビュー。女優、情報番組などで活躍中。

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