「ライブ感」あふれる戦隊での1年、キャストが思わぬ成長も

 【「騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」丸見えソウル(5)】 スーパー戦隊シリーズの放送は約1年間の長丁場になる。若く、演技歴の浅い出演者たちは、最初は試行錯誤を繰り返しながら、やがて大きく成長していく。シリーズでは「烈車戦隊トッキュウジャー」から携わっている井上千尋プロデューサー(テレビ朝日)の話を中心に、どのような変化、変貌を俳優陣が遂げるのか迫った。

 「当初意図していたものから、俳優の個性によって、正直、路線というかキャラクターがここにたどりついたのか、という驚きを感じることが多い。自分たちでも全然思いつかなかっゴールにたどりついたとかは本当にありますね」

 スーパー戦隊シリーズはどこか、生き物のような側面があるという。例えば前年度の「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」でいうと、結木滉星が演じるパトレン1号/朝加圭一郎は、序盤は堅物なイメージの強いキャラクターだった。それがルパンレンジャーの事情を知ったり、包容力のあるキャラクターを結木が演じていったりと、その魅力が視聴者に浸透するにつれ、ファンが予想以上の声援を送るようになった。

 井上Pの言葉を借りれば「ライブ感がすごくあります」。こうした反響をフィードバックさせながら、作品も俳優陣も成長していくというのが、スーパー戦隊シリーズの魅力の一つだろう。

 スーパー戦隊シリーズで本格的な俳優デビューを果たし、さらに活躍の場を広げる人材は枚挙にいとまがない。「役者としてのプロ意識がどんどん芽生えていく」と井上Pが語る理由に、撮影現場の過酷さがある。「朝は早い。テレビだけじゃなくて、映画や配信用の素材を撮ったりとか、昔以上に仕事が増えてきていますよね」。体を張ったアクションシーンだけでなく、純粋な演技もおろそかにはできない、イベント出演もある。文字通り、現場にもまれるわけだ。

 東映の丸山真哉プロデューサーはスーパー戦隊がチームだからこそ鍛えられると見ている。「あいつも頑張っているから、頑張らないわけにはいかないみたいな形の相乗効果で、頑張れるようになっていくんじゃないかなと。それが1年間続くことで、いいチームになっていくのではないでしょうか」。チームスポーツにも通じる修業の場、ということになるのだろう。

 さて、それでは今回の「騎士竜戦隊リュウソウジャー」ではどのような成長・変化を俳優陣は見せてくれるのだろうか。リュウソウレッド/コウ役の一ノ瀬颯は今回がデビュー作。放送開始から数か月の時点でも少しずつ変化は見受けられている。はたして彼のゴールはどこにあるのか。リュウソウジャーたちが俳優としてもどのような成長を遂げるのかを見守るのも、スーパー戦隊シリーズならではの楽しみ方だ。

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会(C)2019テレビ朝日・東映AG・東映

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