今年で結成45年を迎えるゴダイゴ。6月15から往年の名曲「銀河鉄道999」がマクドナルドのCMに起用、7月21日にオリジナル音源をデジタルミックスした「銀河鉄道999～シン・ミックス～」が配信リリースされる中で、その高い音楽性があらためて注目を集めている。J-POP確立前夜から日本の音楽シーンを切り拓いてきた彼らは、今どのような思いで活動するのだろうか。ボーカルのタケカワユキヒデに話を聞いた。

山下めぐ（以下「山下」）：「銀河鉄道999」が木村拓哉さん出演のマクドナルド50周年記念CMに起用され話題になっています。この楽曲が時代を超えて愛される理由についてご自身ではどう思われますか？

タケカワ：理由は自分ではわからないね（笑）。でも当時から一生懸命新しいことをやろうとしていたのは間違いないです。それが結果として時代を超えることになったのかなと。

山下：「銀河鉄道999」はじめタケカワさんの楽曲はワクワクするメロディーが特徴的だと思います。以前からビートルズに影響を受けたことを公言しておられますが、楽曲制作にあたりヒントにされることはありますか？

タケカワ：当時は英語の歌詞を先にもらって、メロディーは歌詞を読んでいるうちに自然と湧きあがってくるようなイメージ。ビートルズは好きですが、楽曲をそのままヒントにすることはほとんどなかったと思います。ただ、メロディーメーカーとしての心構えという点では大いにヒントにしました。構成の美しさ、ワクワクする展開、そういうものがないといけないんだと学びましたね。

山下：「銀河鉄道999」はアニメ映画「銀河鉄道999」のテーマソングとして制作されました。曲の着想はどんなものでしたか？

タケカワ：はじめプロデューサーからもらったのは歌詞と、でっかい車輪が動いてゆく感じの絵が一枚だけでした。とにかく「汽車が空へと駆けあがっていくイメージなんだ」と。なので、メロディーが全てのパートで下から上に上がっていくように作ってるんです。それと出だしのコードが、ハ長調なら普通「C」から「Em」に行くところをあえて「E」に行ってるんです。そのあとメロディーに「＃」が入るんだけど、これがカッコいい。このコード進行とメロディーのマッチングを思いついた瞬間に「これで勝った！」と思いましたね。

山下：7月21日に｢銀河鉄道999～シン・ミックス～｣が配信リリースされました。新たな技術で蘇った音を聴いてどのような感想を持たれましたか？

タケカワ：「僕たち元々こういうつもりで作ってたよね」と思いました。今はどんな年代の楽曲でも一つ一つの音がはっきり聴こえるミックスに出来るようになりました。僕たちミュージシャンは昔から自然にこういう聴き方をしてるんですよね。その感覚がようやく一般のリスナーの方にも味わってもらえるんじゃないでしょうか。

山下：配信という聴き方についてはどう感じておられますか？

タケカワ：僕はデジタルの音が好きなんですよ。レコードやテープはどうしてもノイズが気になるんですよね。CDが出た時は感動したくらい。なので配信もハイレゾなら全然いいと思います。

山下：現在、過去に作曲されたデモ音源が毎月配信リリースされています。特に印象的な曲を教えてください。

タケカワ：「サイツ＆サウンズ」の歌詞で書いた別の曲を発掘したんですよ。存在ごと忘れていましたし、自分でも意外な曲調だった。「友だちはいいもんだ」にも同じような感じの曲があって、途中でセリフまで入るんです。「俺、何考えてたんだろ？」って思いましたね（笑）。

山下：6月には加橋かつみさんが歌った｢ニルスの不思議な旅｣のデモも配信されましたね。

タケカワ：アニメソングなのに自分が歌ったバージョンはけっこうトンガってましたね（笑）。

山下：ニルス関連では他にもいくつか加橋さんに楽曲提供されていますが、当時ご本人とはやりとりはあったのでしょうか？

タケカワ：当時、加橋さんとはちゃんとお会いする機会が無かったんですが、ここ10年くらいは合同コンサートでよくご一緒するようになりました。コーヒーもらったり仲良くしていただいてるんですが、子供の頃からテレビで見てた人なので、今だに会うと「ザ・タイガースだ！芸能人だ！」って思っちゃう（笑）。

山下：現在、毎月配信ライブを開催されていますが、セットリストや演出はどんな方針で決めておられますか？

タケカワ：コロナ禍の影響で急きょ始めました。配信ライブはお客さんのリアクションはないし。スタッフのみんなも不慣れだったから僕が面白いこと言ってもクスリともしてくれない（笑）。初めは本当に辛かったです。今はもう慣れてきたから、これまでやってこなかったような曲をあえて組み込んだり、ミッキー吉野、吉澤洋治とコラボしたりね。これはこれで面白さがあるなと思ってやっています。

（よろず～ニュース特約・山下めぐ）