野村修也氏「ジャーナリストかぶれ」に疑問 ネットの「無防備すぎる」危険性とメディアを「救う図式」説明

 読売テレビ・日本テレビ系「ウェークアップ」ではキャスターを務めたことがある中央大学法科大学院教授の野村修也弁護士が15日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、ネットに潜む危険性とプラス面についてコメントした。

 今月14日に東京・霞ケ関の財務省前で、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が演説前に男にナタで切りつけられる事件が発生した。容疑者の男は動機について「他の議員を自殺に追い込むようなやつだからやった」などと供述しているという。立花氏については一部報道やネット上で批判的な意見が見られるが、立花氏が他の議員を自殺に追い込んだという明確な事実や証拠はない。

 野村氏はネット空間を「エコーチェンバー現象が生み出す過剰な分断を背景に、暴力的な誹謗中傷と煽り合いが飛び交う世界」と説明。「その背後には、いつリアルの世界で蛮行に及ぶか分からない生身の人間が潜んでいることを忘れてはならない。」とした。さらに「リアルの世界では恨みを買わないよう警戒しているのに、ネットでは無防備すぎる。」とネットでは意識が軽くなってしまっているという危険性に言及した。

 「エコーチェンバー現象」とは同じような意見や価値観の人々が集まり、同じような意見を繰り返し聞くことで、自分の意見が肯定され、より強化されるような現象のこと。対立する2つの考え方があり、自身が「正しい」と思う方の意見をネットで見たりすると、同様の意見が大量にオススメされるようになり、考え方が固まってしまうようになることがある。

 野村氏は続けて「ネットが炎上する背景には、テレビや新聞などの既存メディアが真実を十分に報じていないという問題がある。また、自分の足で裏どりするのではなく、週刊誌報道等を信じて自説をとうとうと述べる運動家みたいな記者やジャーナリストが増えていることも、火に油を注いでいる。」と指摘。「ネットだけが悪ではない。」と強調した。

 「事実を伝えるのが調査報道なのに、ジャーナリストかぶれの人は角度をつけて報ずるのが調査報道だと勘違いしている気がする。」と私見。「この変な思い込みが、自分のストーリーに合わない情報を切り捨て、都合の良い情報だけを切り取る作業を生む。」といわゆるオールドメディアでも「エコーチェンバー」のような現象が起きているとした。「これが報道冤罪を発生させ、ネットがそれを救う図式を生んでいる。」と既存メディアの持つ危険性とネットのプラス面も指摘した。

(よろず~ニュース編集部)

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