おかわり無料のごはんに備蓄米「古古米」「古古古米」ランチ開始 大阪の居酒屋、定食価格500円維持
大阪府堺市の居酒屋「千べろ家ザビエル」が3日、ランチ営業時の500円(税込)定食の「おかわり無料」のごはんに「古古米」「古古古米」の使用を始めた。
同店ではチキン南蛮、からあげ、特製キーマカレーなど8種の定食で、おかわり無料のご飯を銘柄米で提供してきたが、米価格の高騰を受け、4月30日からは安価なカルフォルニア米を導入するなどして「ワンコイン」を維持してきた。
政府の新たな備蓄米放出を受け、安定的に安価な米を確保できるようになったことから「古古米」「古古古米」の導入を決断した。
この日のランチタイムでは、大阪市内のスーパーで仕入れた令和4年(2022)産の「古古米」10合を、国内家電メーカーの最高級炊飯器2台でふっくら炊き上げた。同店の高橋憲治さん(44)によると、試行錯誤の末、においをやわらげるために、沸騰させカルキ(塩素)を抜いた水にみりんやサラダ油、堺の地酒などをブレンド。5~6センチ角の昆布を入れて炊き上げる。「試食していただいたが、気づかれなかった」と、新米と変わらぬ風味に自信を見せた。
ランチの定食を1日15~20組が利用するといい、10合が胃袋に消える。この日、夫婦で同店を利用した堺市の会社員村尾義一さん(47)は「何も気にならなかった」と振り返る。妻の恵美子さん(47)も「古古米は食べたことがなかったが、新米とまったく変わらない。このあたりで備蓄米の販売が始まったら、ぜひ買ってみたい」と太鼓判を押した。
2018年のオープンから、定食は500円を維持している。高橋さんは「値段を上げないのは意地ですね。続けたいと思っている。負けたくない」と、物価高にあらがっている。店長の谷英人さん(35)は「ランチを500円から値段上げたくないというのはあった。4月まで国産米を使っていたが、5キロ4000円台では赤字ギリギリの厳しい感じだった。ごはんの味は、そこまで変わらない。備蓄米が買える限り続けたい」と話した。
(よろず~ニュース・杉田 康人)
