中江有里と有名作曲家の音楽ユニット「スピン」が初ライブ、「阪神ネタ」で本音トークも…猛虎Vで弾丸応援
俳優・歌手で作家の中江有里と作曲家の松本俊明によって結成された音楽ユニット「スピン」の初ライブが16日に都内で行われた。中江にとって「生活の一部」となっているプロ野球・阪神タイガースの応援にまつわるエピソードが“本音”も交えて飛び出し、会場を沸かせる一幕も。ライブ後、両者は当サイトに活動継続への意欲を示した。(文中敬称略)
MISIAの「Everything」など数々のヒット曲を手がけた松本。小説やエッセイ、書評などを精力的に執筆する中江。この2人が「文学と音楽の融合」をテーマに結成した「スピン」の初公演は、昼夜2部構成でイベントカフェ「MAMEHICO(マメヒコ)」銀座店で開催された。
内装やテーブル、イスなどに木のぬくもりが感じられる「音楽室のような」(松本)会場。夜公演の冒頭で、中江は「松本さん、お腹空いてないですか?」と声をかけ、松本は「さっき楽屋でメロンパンを食べました」と返した。そんなやりとりで、場の緊張がほぐれた。
両者とも黒を基調とした衣装で、松本の繊細なタッチのピアノ演奏に対し、中江は一冊の本を手にして朗読と歌唱を繰り返した。休憩を挟み、純白の衣装で再登場。ステージ背後のカーテンが開き、窓外に暮れなずむ有楽町駅周辺のビル街が浮かぶ。その景色を見ながら、中江は「昼閒のステージ中、西の方で、ある試合が行われていたんです」と切り出した。
甲子園での広島戦。前日の逆転負けから一転、この日の阪神は先発・村上頌樹の力投に、佐藤輝明の本塁打も飛び出して快勝。中江は「良かったです。もちろん、(昼の)ステージが終わってからですよ、(結果を)確認したのは(笑)」と報告した。
そこから阪神を巡る話が続いた。中江は「松本さんにはご迷惑をおかけしました。試合見るために打ち合わせを早く終わらせたこともありました。でも、あれは特別な時だったんです」と告白した。
2023年9月13日、阪神がセ・リーグ優勝を決めた日のこと。中江は松本氏らとの打ち合わせを予定より早く切り上げ、東京・御茶ノ水から甲子園球場での巨人戦に向かった。松本は「心、ここに非ず…という感じでした」と証言。中江は「御茶ノ水駅からJRで東京駅に行って新幹線に乗り、新大阪へ。JRで大阪駅に出て、阪神梅田から甲子園に着いたのが試合開始10分前、ギリギリだったんですよ」と“弾丸応援”の行程を説明した。
そこで、松本が「阪神の試合に行くのはいいんです。そのこと自体に一切、問題はない。僕が言いたいのは、早く帰るなら早く来なさい…ということ。姿勢の問題です」と切り込んだ。中江は「ダメ出し、いただきました。おっしゃる通りです。あの日は(甲子園に)行けると思ってなかったんです。たまたま1枚、チケットがあると言われて飛び出すように…。その節は申し訳なかったです。そんな私に根気よく付き合ってくださって」と受け止め、松本も「模範的な阪神ファンになってください」とエールを送った。
話題は松本が取り組む能登半島地震の被災地に贈った曲にも及んだ。本編のラストでは、昨年公開された中江の主演映画「道草キッチン」の挿入曲で、スピンのファースト・シングルとして昨年7月に配信リリースされた「それぞれの地図」を披露。アンコールは中江が10代のアイドル時代、まだ面識のなかった松本が書き下ろした曲「あなたに ありがとう」で締めくくった。
終演後の2人に話を聞いた。本音を吐露したトークについて、松本は「2人とも思ったことを言う性格なので、ウソがないというか。本当に仲が良くないと言えないことですし、ネタみたいなもの。(阪神V決定の可能性がある試合に)行くのは当然ですよ」と真意を説明。中江も「表面的なお付き合いではないということ。甲子園にも気持ちよく送り出してくださいました」と感謝した。
また、東日本大震災の被災地を訪れている中江は「福島県の浪江町を中心に足を運んでいます。今回のライブで松本さんの曲を通して能登に思いを馳せたことも大事なことだと思います」と付け加えた。
初ライブについて、中江は「一つ一つ作ってきたものがつながったと思います」、松本は「ここでしかやれないものを聴いていただけたんじゃないか」と手応えをつかんだ。今後に向け、中江は「お互いの活動をやりながらアイデアを出して、2人だからできることをやっていきたい。曲も増やしてアルバム的なものを作りたい」と意欲を示し、松本は「始めの第一歩です」と前を向いた。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)
