【第１１１回】島倉　都（２４）＝群馬・１２０期＝

　島倉は新潟県長岡市出身。新潟県出身者で初の女子ボートレーサーだ。やまと学校（現在のボートレーサー養成所）に在籍していたときから、地元の放送局から取材を受けていたという。

　「新潟初の女子となったら、何かしたい。全国のお客さんに、新潟はすごいいいところなんだというのを知ってほしい。（ボートレース場がない）新潟の方に見に来てほしい。ボートレースを知ってほしい」。ピットでは新潟にちなんだ図柄がプリントされたＴシャツを着ている。取材時に着ていたのは新潟県内で展開するレストラン「みかづき」のＴシャツ。ご当地グルメ「イタリアン」（ソース焼きそばのミートソースがけ）発祥として新潟県内で知られている。これ以外にも新潟県三条市出身のプロレスラー・ジャイアント馬場の代名詞“１６文キック”、新潟県の地酒の銘柄がプリントされたものもある。「着ていてテンションが上がります。これがきっかけで話しかけてくれる選手もいっぱいいるのでうれしい」と新潟のＰＲに一役買う。

　自身のアピールも忘れていない。ツイッターの自己紹介文に“チヨコじゃないよミヤコだよ”と記している。“チヨコ”はもちろん昭和を代表する歌手・島倉千代子のこと。「高校生までは何も言われなかったけど、デビューしてから他支部の選手から“島倉といえば千代子でしょ”と言われるようになった」。実際に、“千代子”と呼ばれることもあるという。「島倉都より島倉千代子の方が圧倒的に有名。あやかりながら、（自分の）名前を覚えてほしい」。そんな思いがこめられたキャッチフレーズだ。

　同じ新潟出身の女子として、１９年５月に生田波美音（東京）がデビュー。「すごい優秀な女の子が出てきちゃった…」と後輩の出現に刺激を受けている。大好きな郷土のため、そしてボートレーサー島倉都のアピールのため。「成績が伴わないと、ＰＲの意味がないと思っている。そのためにも成績を伸ばしたい」。大きな野望を胸に活躍を誓う。