大谷 6回2失点好投実らず、エ軍は守乱負け スライダー狙い打ち 新球シンカー披露

「2番・投手兼指名打者」で先発した大谷
1回、2球続けて自打球を当てる大谷
大谷を応援するファン
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 「エンゼルス2-6マリナーズ」(15日、アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が「2番・投手兼指名打者」でフル出場。投手では6回7安打2失点、与四球1、奪三振8で粘りの投球を見せたが、打線の援護がなく、11勝目ならず。防御率は2・69。打者では快足を生かした内野安打で4打数1安打だった。試合は2-2の九回に守備の乱れから一挙、4点を失う惨敗で連勝は2で止まった。

 前回9日のアスレチックス戦で自身初の10勝をマークし、1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶり2人目の「2桁勝利、2桁本塁打」を達成した大谷。4登板連続で中5日となったこの日のマウンドは初回に5球で2死を奪ったが、ウィンカーにフルカウントから外角低めの142キロスライダーを痛打されて中越えソロ被弾。1点を先制された。

 しかし、初回裏の攻撃で珍プレーが飛び出す。エンゼルス3番レンヒーフォが放った右中間深くの打球を中堅ロドリゲスがフェンス前でジャンピングキャッチ。一旦は打球をグラブに収めたが、同時に跳んだ右翼ハニガーと交錯し、ボールがグラブからこぼれて右翼フェンスの上部に塗られた黄色の線を越えてフィールドに落ちた。

 打者走者は三塁に到達した後にエンゼルスベンチがビデオ裁定をリクエスト。リプレー検証の結果、判定は覆り、ホームランとなった。

 珍プレーから生まれた幸運弾で援護を受けた大谷の二回は先頭を中前打で出したが、後続につけ入るすきを与えず。三回は先頭ロドリゲスに打たれた右翼ポール際の打球がホームランと判定されたが、マウンド上の大谷は「ファウル」とつぶやく。審判団によるビデオ検証でファウルの判定に覆った後、スライダーで空振り三振に斬った。

 ところが、1死から前打席で先制ソロを献上したウィンカーにバットを折りながら左前へ落とされ、さらに四球でピンチを背負う。5番クロフォードにはフルカウントから外角スライダーを中前へ運ばれ、2点目を失った。

 6月16日の同カードでは直球32球に対し、スライダー38球。変化球主体の配球でマリナーズ打線を6回無失点に封じて5勝目を挙げた大谷。しかし、この日は初回のソロ弾を含む2安打、三回の適時打はいずれもスライダーを狙い打たれたもの。二回以降は直球主体のピッチングに切り替え、三回にはキャッチボールで試投していたシンカーも織り交ぜる工夫の投球で四回以降はスコアボードにゼロを並べた。

 四回は2死から9番ラムに中越え二塁打を浴びながら無失点で切り抜ける。五回はこの日初の三者凡退に抑え、六回は1死から6番フレイジャーに左前打を許したが、後続をピシャリ。シーズン12度目のクオリティースタート(6回以上、3自責以下)で先発の役割を果たしたが、同点の展開で交代。マウンドをリリーフ陣に託した。

 打者では初対決の右腕カスティーヨに対し、初回の打席はカウント1-2からチェンジアップを打って二ゴロ。2球連続で変化球をファウルにしたが、1つ目は7日のマリナーズ戦で相手投手に踏まれた左足の甲を直撃、2つ目は右足への自打球となり、痛みから大声を上げて苦悶の表情を見せた。

 1-1の三回無死一塁の打席は見逃し三振。カウント3-1から見送った内角低めの158キロ直球をストライクと判定され、ファウルを挟んで再度見送った内角低めの156キロ直球に右手が上がる。一塁へ歩きかけた大谷は球審の方を振り返り、左手で「ちょっと待って」と言わんばかりの仕草をした後、手を振りながら悔しさをにじませた。

 五回1死一塁の打席はワンストライクから甘く入った156キロシンカーを強振。しかし、芯を外されバットを折られた打球は伸びずに左飛に倒れた。

 依然として2-2の八回の打席は先頭で捕手内野安打。3番手右腕ムニョスのスライダーを叩き、打球がホームベースに当たって大きく跳ねる間に快足を飛ばし、捕手の送球よりもわずかに速く一塁を駆け抜けた。2死からウォルシュの左翼線安打で三塁に進むと、左翼手ラムからの返球が自分の体に当たりそうになり、体をよじって回避。直後にレフト方向に向かって右手で「やめてくれよ」のジェスチャーで中継ブースの笑いを誘った。

 本拠地ファンが頭を抱えたのは九回の守備だ。1死一塁の場面でそれた投球を処理した捕手スタッシが二塁へ悪送球する失策で走者を二塁に進め、直後に三盗を決められる。代打サンタナに四球を与えて1死一、三塁。ロドリゲスの二塁前へのゴロ打球に三塁走者が飛び出し、三、本間で挟殺プレーとなったが、本塁をカバーするはずの投手ループが足を滑らせて間に合わず、勝ち越し点を許す。さらにフランスのゴロ打球を処理した遊撃手の本塁返球をスタッシが捕球ミスするエラーで1失点。さらに内野ゴロと左前打で2点を追加された。投手戦の様相を呈した試合は九回の2安打2四球2失策4失点で万事休した。

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