「カブス－ドジャース」（１９日、東京ドーム）

　ドジャースの大谷翔平選手が開幕２戦目の第３打席で今季１号アーチを放った。凱旋弾に東京ドームが興奮のるつぼと化した。

　五回１死、追い込まれながらも完璧に振り抜いた打球は右中間スタンドに飛び込んだ。打球はグラウンドに跳ね返ってきたが、審判は本塁打の判定。ダイヤモンドを一周し、ベンチでデコピンポーズなどのパフォーマンスを繰り広げた。

　ここでカウンセル監督がリプレー検証を要求。打球はファンの手に当たって跳ね返ったが、判定はホームラン。スタンドが再び沸き返った。大谷もベンチで笑みを浮かべた。

　その後、ボールはカブスの外野手によってスタンドへ投げ入れられ、埼玉県から観戦に訪れていた１０歳の少年がキャッチ。「ビックリしました」と振り返り、「家宝として大事にします」と語って報道陣を爆笑させた。

　「珍しく緊張した」と語った第１戦の第１打席。スタンドからの大歓声、独特の緊張感が大谷のスタイルを狂わせた。「四球はいらない」と強引なスイングになっての二ゴロ。それでも「冷静に対処できた」と第２打席以降はしっかりと対応し、五回にはチーム初安打となる右前打から好機を拡大し、自身は逆転のホームを踏んだ。

　九回には元同僚のブレイシアから右翼線へ二塁打を放ち、Ｔ・ヘルナンデスのタイムリーでダメ押しのホームを踏んだ。先発・山本の初勝利へ力強く援護し、チームも開幕戦に勝利。ロバーツ監督はこの日、「しっかり連勝して本国へ帰ろう」と選手たちを前に語ったことを会見で明かしていた。

　さらにフリーマンを左肋骨の違和感で欠き、ベッツも体調不良により緊急帰国。ＭＶＰトリオが崩壊する中、大谷のバットにかかる期待は大きい。一振りでチームの雰囲気、そしてゲームの流れを変えられる選手－。その事実をまざまざと母国・日本で証明した。