坂本花織が大号泣銀メダル!ミス響き1・89点差で明暗「完璧に出来なかった分が優勝逃した点数分」も万感の五輪ラストダンス 北京超え有終メダルに「自分を褒めたい」

 「ミラノ・コルティナ五輪・フィギュアスケート女子・フリー」(19日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 22年北京五輪銅メダルSP2位だった坂本花織(25)=シスメックス=完璧な演技とはいかなかったが、フリー147・67点、合計224・90点をマークし、銀メダルを獲得した。演技後は涙がこぼれ、北京を上回る銀メダルが決まると両手で顔を覆って号泣した。五輪初出場の中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=は銅メダルを獲得した。17歳でのメダル獲得は10年バンクーバー五輪女子銀メダルで、中井の憧れの浅田真央さんの19歳を超え、22年北京五輪男子銀メダルの鍵山優真の18歳を抜く日本フィギュア最年少記録となった。フィギュア女子の複数表彰台は初の快挙。日本にとって冬季五輪通算メダル数が100個に到達した。

 直前に全米女王リュウが完璧な演技で会場が熱狂。重圧のかかる雰囲気の中でフリー「愛の賛歌」。中野コーチと固く手を握り合って、銀盤の中央に向かった。14年ソチ五輪での鈴木明子が演じた姿をみて、自身の引退シーズンに使うことを決めていた思い入れのあるプログラムで夢舞台最後の4分間に挑んだ。

 冒頭のダブルアクセルを坂本らしく雄大に決めきると、続く3回転フリップ、3回転ルッツ-2回転トーループも成功。後半も3回転サルコーを決めたが、3回転フリップが単発に、それでもダブルアクセルからの3連続ジャンプを決めて立て直し、最後の3回転ループも軽やかに決めて、演技を締めくくった。演技後は複雑な表情を浮かべながらも、自分を納得させるようにうなずいたが、中野コーチに抱き締められて涙した。得点を見届けた瞬間は何度もうなずき、その後、銀メダルが決まると、再び涙がこぼれ、両手で顔を覆って泣き続けた。

 金メダルのリュウとの差は1・89点差。連続ジャンプが決まっていれば上回れた点差だった。インタビューでは「あの~う~ん、なんか、力が最後まで100%出し切れなかったのがすごく悔しい。これだけ悔しい思いをしても銀メダルをとれたこと。いままでの頑張りが実ったのかな。まあ正直、ここで完璧に決めたかった。出来なかった分が優勝を逃した点数分。苦しくて涙がでました」と率直に明かしたが「前は本当に奇跡のような銅メダルから銀で悔しいと思えるぐらい成長したのかな。この4年間頑張ってきてよかった。団体戦からすごく充実した五輪期間をすごせた。いろんなカテゴリーから力をもらった。やりがいしかない五輪でした。目標にしていた団体、個人とも銀以上はなんとかぎりぎりできた。そこは自分を褒めたい」と語った。

 SPでは情感豊かな演技をみせ、77・23点をマークし2位発進。団体戦でマークした今季世界最高には及ばなかったが、首位の中井亜美(TOKIOインカラミ)と1・48点差で、金メダルを射程圏に入れて迎えたフリーだった。今季限りで現役引退を表明している坂本にとって、五輪でのラスト演技となる。

 団体の2大会連続銀メダルに大きく貢献した日本女子のエースは、“五輪の魔物”への恐怖心に襲われた。男子の鍵山優真がフリーで、ペアの“りくりゅう”こと三浦、木原組がSPでまさかのミスをする姿を目の当たりに。16日の公式練習後には「予期せぬ形があるっていうのを連続で見てしまうと、正直、見てすぐは自分もなるなって感じで」と涙した。

 それでも再起する仲間の勇姿を見て、迷いは晴れた。“りくりゅう”の大逆転金メダル獲得劇を観戦した際には「どえらい泣いた。モヤモヤが晴れました」と感嘆。その後臨んだ運命の個人戦SPは「自分の演技が90%ぐらいできた。自分自身を褒めてあげたい」とメンタル復活。大きな壁を越えた坂本が、フリーでキャリアの集大成をぶつけた。

 ◆坂本花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、神戸市出身。4歳でフィギュアスケートを始めた。神戸野田高を経て、神戸学院大経営学部卒。16年全日本ジュニア選手権で初優勝し、17年世界ジュニア選手権は銅メダル。全日本選手権は18年に初優勝し、21年から5連覇を達成。五輪は18年平昌6位、22年北京は銅メダル、団体は銀。GPファイナルは23年に優勝。世界選手権は22年から3連覇し、25年は2位。全日本選手権5連覇。159センチ。

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