【ゴルフ】ビジュアルも実力も注目の成長株、田辺ひかりの強さの秘密とは

 女子ゴルフの田辺ひかり(24)=伊藤園=が今季(2020-21年)大躍進している。19年は獲得賞金0円だったが、優勝争いを演じた前週のフジサンケイ・レディースまでに3350万5741円を積み上げて17位にランクされている。大きな目が印象的でビジュアル的にも注目の実力派プロの急成長の要因とは-。それはアマチュアにも参考になる部分にあった。

 田辺の名前を全国区に押し上げたのは、地元の岡山・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で開催された昨年の日本女子プロゴルフ選手権だった。それまでほぼ無名だったが、優勝した永峰咲希とのV争いの末に2位に入り、まさに名前通りに「ひかり」を放った。

 田辺の潜在力を引き出したのは、20年から指導を受けている元トッププロ・佐伯三貴の存在が大きい。その点をリスペクトした上で、本紙ゴルフ特集「ゴルスペ」で「女子プロ、ここがすごい!」を好評連載中の大西翔太コーチはこう話す。

 「田辺プロといえば、ターゲットを正確に捕らえてくる、いわゆるライン出しショットですね。アイアンだけでなく、ドライバーでもライン出しをしてくる。私がコーチ兼キャディーを務めている青木瀬令奈プロと親交が深い成田美寿々プロもライン出しがうまいですが、田辺プロもかなり精度が高いです」

 田辺は日本女子プロ選手権の2位以降も、今年最初の試合となったダイキン・オーキッド・レディース(沖縄・琉球ゴルフ倶楽部)で3位。名うての難コース、静岡・葛城ゴルフ倶楽部で開催されたヤマハ・レディースでも13位と健闘している。そして前週のフジサンケイでは2日目まで3位(最終的には13位)と試合を引っ張った。今や押しも押されぬ女子ゴルフの“顔”だ。

 「田辺プロのライン出しショットの精度が高いのは、グリップをめちゃくちゃ短く持っているからです。グリップを短く持つと、クラブの重心に近い位置を持つことになります。そうするといわゆるカンターバランスが働いてクラブの操作性が高まります。もちろん、長く持った方が飛距離は期待できますが、それは芯に当たった場合のことです。短く持った方が操作性がよくなる分、芯に当たる確率が格段に高まり、結果として飛距離もそんなにロスせず、むしろ飛んで正確性も高まるというわけです」(大西コーチ)

 グリップを短く持ってのライン出しショットで成長の階段を駆け上がる田辺。アマチュアも大いに参考したい選手だ。(デイリースポーツ・松本一之)

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