【野球】阪神・青柳、球宴で感謝の投球 人生の分岐点で背中を押してくれた母へ届けた晴れ姿

 屈託のない笑みを浮かべ、青柳は汗をぬぐった。自身2度目の球宴出場で、1回無安打無失点。登板以外にも巨人・高梨や中日・又吉らと野球談義するなど、結果以上に収穫を得た青柳だったが、家族にとってもうれしい1日になった。

 マウンドでは、まさに真剣勝負だった。4番手の六回が出番。序盤は得意のツーシームで押した。それでも代打・森に四球を出すと、ギアが上がる。代打・山川へは直球、スライダーを交え、最後は遊ゴロに打ち取った。登板後は「投球自体はよくなかったけど、楽しめたのでよかったです」と振り返った右腕。それでも、かっこいい姿を見せることができてよかったなと私は思う。

 7月17日は、青柳にとっても特別な日だ。母・利香さんの誕生日。オールスターに選出が決まった時には、「来る?来ない?どっち?」とすぐに電話をしたという。横浜から仙台への弾丸旅行だ。少しでも足しになればと、交通費も送り、最高の“プレゼント”にした。

 これまで何度も招待してきた試合。この日は母と、妻の一家も応援に訪れた。「感謝はありますね。プロに行くか、社会人に行くか悩んだ時も、『挑戦できるんだったらした方がいい』と言ってくれたのも母だったので」。大学時代から「母の日」にはカーネーションを、今年は時計を贈った。

 女手一つで育ててもらった青柳。かつて、名前・晃洋の由来を教えてもらったことがある。「“洋”はおじいちゃんの趣味が、船に乗ることだったから、そこからかな。“晃”は光り輝く日が昇るように」。そんな青柳が今、飛躍の時を迎えようとしている。

 オールスターでの登板が終わり、今度は侍ジャパンとしての戦いへ。これまでのキャリアの中で初めて選出された日の丸の舞台。青柳が思い描く親孝行の舞台はまだ、まだ続くと願っている。(デイリースポーツ・松井美里)

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