【野球】“歴代の侍サブマリン”が太鼓判 青柳は東京五輪で活躍する

 野球日本代表「侍ジャパン」初選出で東京五輪へと臨む阪神・青柳晃洋投手(27)。00年シドニー五輪に出場し、06・09年WBC連覇に貢献した渡辺俊介氏(44=日本製鉄かずさマジック監督)、13・17年WBCに出場した楽天・牧田和久投手(36)の歴代侍サブマリン2人が、青柳の活躍を断言した。

 これまで日本代表の投手陣を支えた変則投手の系譜。東京五輪で受け継ぐのが青柳だ。ただ、投球フォームそのものが珍しい時代ではなくなっている。

 米マイナーリーグやメキシコリーグではサイドスローの投手は多く、渡辺氏も「米国などのサイドスロー投手は(青柳と)似た投げ方。青柳投手のリリースの高さで打者が驚くことはない」と話す。

 だが、青柳の特筆すべき強みは精度の高さ。フォームは似通っていても海外のシンカーに頼るスタイルと制球力に対し、青柳は一線を画す投手だという。

 「あのリリースの高さで手首を立て、柔らかく肘を使って直球が伸びてくる。それに横滑りするスライダー。あれを投げられる投手はメジャーレベルにしかいない」と評する。

 米大リーグでの経験を持つ牧田は、海外の審判のストライクゾーンを生かした投球も活躍のポイントとした。「国際大会になるとゾーンは日本より広い」とした上で「高めの球は有効になると思う」と攻め方を説いた。

 緩急の使い方も重要だ。外国人選手は「緩い球に手を出してくる」としたが「日本と違い足を上げてタイミングを取る打者が少なく、追い込まれての変化球には対応できる。遅い変化球を使うなら初球ですね」と話した。

 幅広い攻めを可能とするのは青柳の向上した制球力があるからだ。牧田は「左打者の外のツーシーム、シンカーがいいので、外から入ってくるスライダーも有効になる」とし、渡辺氏も右打者内角への制球力に「あの精度を持つ変則投手は海外にいない。初見でドミニカやメキシコは対応できないだろう」と活躍に太鼓判を押した。

 期待や重圧が掛かる国際大会だが渡辺氏は「選ばれたこと自体が誇り。それを喜びとして向き合ってほしい。そこに結果は付いてくる」とエールを送る。

 牧田も「楽しむこと。打たれてはダメだと窮屈にならず自分の投球をすれば大丈夫。代表で野球ができることを楽しんでほしい」と背中を押した。

 渡辺俊介、牧田和久、高橋礼と近年の侍を支えた変則投手と比べても「球の力は一番」(渡辺氏)という青柳。代表を支えた変則投手の歴史に、新たな1ページを加える。(デイリースポーツ・中田康博)

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