【野球】佐藤輝だけじゃない!虎の原石 ファームで過ごすルーキーの現在地

 阪神2軍は23日から、ウエスタン後半戦がスタートした。1軍では、ドラフト1位・佐藤輝(近大)を筆頭に4人の新人選手が戦力として奮闘中。そんな同期たちを、ファームから虎視眈々(たんたん)と追うルーキーたちの現在地を探った。

 確かな成長を遂げている。同3位・佐藤蓮(上武大)は、14日のウエスタン・広島戦(鳴尾浜)で“プロ初星”を挙げた。6月25日以来プロ2度目の先発で、4失点も最長の5回を投げ切り、最多の7奪三振。2四球と課題の制球も徐々に安定し始めている。実戦デビューとなった1軍春季キャンプの紅白戦で、4四死球と1回を投げ切れなかった面影はもうない。「今年中に1軍に上がって初勝利。そこは目標にしてやっている。徐々にですけど、良くなってきてるっていうのは自分でも実感してる。でも、まだまだこんなもんじゃダメだとも思う」と次のステージを堂々と目指す。

 「栄枝が座ったら勝てると思わせる」。同4位・栄枝(立命大)は、そんな理想の捕手を志す。ウエスタン開幕直後に右肋骨(ろっこつ)を疲労骨折と出遅れを余儀なくされたが、6月9日に実戦復帰すると、10試合で先発マスクをかぶるなど出場機会を増やしている。先発した10日の同・中日戦(ナゴヤ)では2点適時三塁打をマーク。「思い切りストライクゾーンの球を振りに行くっていうのが良い結果につながってます」と打撃面でもアピールしている。また、1軍の試合を見て梅野のリードを研究。「例えば、青柳さんってどんなリードしたら良いんだろうって上(1軍)に上がった時に思うようじゃもう手遅れだと思うので」。“勝てる捕手”へ、毎日が勉強だ。

 同5位・村上(東洋大)は雪辱に燃える。5月30日・西武戦(メット)でプロ初登板初先発を果たすも、2回1/3を5失点KOとホロ苦いデビューとなった。リベンジへ-。2軍では11試合に登板し、5勝1敗、防御率2・45。降格後に先発した5試合全てで5回以上を3失点以内と安定感は抜群だ。10日の同・中日戦では6回2失点でプロ入り最多の7三振を奪った。狙うはプロ1年目での初勝利。「もっともっと練習して。1軍のバッターは全然違うので、もっとやらないと」。さらなる高みへ、日々努力を重ねる。

 唯一の高卒新人・同7位の高寺(上田西)は、プロの壁に直面している。2軍で「3割以上、15盗塁」を目標に望んだプロ1年目。2軍春季キャンプでは実戦全てで安打をマークするなど、打撃センスの良さをうかがわせていた。だが、前半戦終了時点の49試合で打率・178、9打点、2盗塁と思い描いていたような結果には至っていない。それでも、1日の同・広島戦(由宇)ではプロ1号を放ち、高校通算31本塁打の片りんは見せた。後半戦での巻き返しへ、「長打もあって、率も残せる打者になれれば」と意気込む。

 ルーキー大トリでデビューを果たしたのは、育成1位の変則左腕・岩田将(九産大)だ。大学3年時に受けたトミー・ジョン手術の影響などで、入団後も慎重に調整を続けてきた。14日の同・広島戦(鳴尾浜)でついに“プロ初登板”し、1回無失点。「『投げられた』というのが一番うれしかった」と素直な思いを口にした。同期の活躍には焦りもあるが、同時に大きな励みでもある。「テル(佐藤輝)とか全員出てる中で、自分だけ登板もなかったですし…。率直に、同級生ですけど憧れの部分もあったので、そこに負けないじゃないですけど、自分も1つの戦力として今後は頑張っていきたい」。岩田将のプロ生活はまだまだここからだ。

 ここまでの道のりはそれぞれだが、着実に歩みを進めている虎の原石たち。目標達成へ己を磨き、1軍で強い輝きを放つ。(デイリースポーツ・間宮涼)

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