【スポーツ】日本人力士は白鵬、照ノ富士を倒せるのか?武蔵川親方、陸奥親方に聞く

 大相撲名古屋場所を振り返り、何か寂しい気持ちを感じるのは私だけだろうか。15日間の戦いの末に決まったことは、6場所も休場した白鵬が全勝優勝し、一時は序二段まで落ちた照ノ富士が14勝で横綱に昇進。千秋楽はモンゴル出身力士2人による全勝相星決戦。日本人力士は完全にカヤの外だった。

 本紙相撲評論「マルちゃんの相撲LOVE」を担当している武蔵川親方(元横綱武蔵丸)はこう嘆く。

 「日本人力士は何も考えていないな。若手はよく『自分の相撲を取るだけ』とか『目の前の一番一番に集中するだけ』とかコメントしているけど、番付が上の白鵬や照ノ富士を相手に自分の相撲を取ったって勝てるチャンスは少ない。やっぱり作戦とか戦略とかを考えていかないといいようにやられちゃうだけだよ」

 では、打倒・白鵬、打倒・照ノ富士を実現するためには具体的にどうしたらいいのか。同親方はこう続ける。

 「名古屋場所を見ていて感じたのは、どうやったら倒せる可能性が高いのか考えていない若手が多いということだな。例えば明生は照ノ富士に2本差していったけど、簡単に極められて負けた。押し相撲にいいものを持っている明生なら下からハズ押しでいった方がチャンスが出てくる。若隆景にしてもハズ押しでいくべき。白鵬、照ノ富士と組んで勝つのは難しい。やっぱり突き押しでいった方が勝ち目があるよ」

 本紙場所展望と総括を担当している陸奥親方(元大関霧島)も同意見だ。

 「白鵬、照ノ富士を倒すためには考えた相撲が必要という点はその通りだと思う。そのためには自分と相手をよく知ることが大事。最低でも相手の相撲をビデオで分析し、技の傾向や負けるときはどんな内容が多いか、土俵際でのクセなどを知っておかなくては話にならない」

 最後に陸奥親方は白鵬、照ノ富士に勝つために最も必要で大事なことについて触れた。

 「それは一にも二にも稽古量以外にない。白鵬は四股、すり足、てっぽうという基本動作を他の力士の誰よりも多くやっている。それは照ノ富士も同じ。さらに2人は稽古に取り組む気持ちも違う。白鵬も照ノ富士も膝を痛めていたが、膝が痛くても上半身の稽古は休まなかった。日本人の若手が2人に勝つには、2人以上に稽古をすること。作戦、戦略を考えることは必要不可欠だが、稽古量の支えがなければ白星にはつながらない」

 隆の勝、明生、若隆景、志摩ノ海、宇良、琴ノ若…。イキのいい若手力士の奮起を大いに期待したい。(デイリースポーツ・松本一之)

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