【野球】引退の巨人・亀井善行が語った原監督への「申し訳ない気持ち」とは

 巨人・亀井義行外野手(39)が今季限りでの現役引退を表明した。引退会見で原辰徳監督(63)への思いを問われ、「感謝より、申し訳ないという気持ちが強い」と話した背番号9。プロの世界で17年間、生き抜いた男が自責の念に駆られた理由とは-。

 勝負強い打撃と球界トップレベルの外野守備で長年チームを支えてきた。今季は故障に苦しんだが、数年前までは打席で追い込まれてもなかなかアウトにならず、一筋縄ではいかないバッターという印象だった。

 原監督からの信頼は厚かった。亀井は「原監督じゃなければここまでやってこられなかった」と感謝する一方で、「感謝もありますが、申し訳ない気持ちが強い」と指揮官に対しての思いを口にした。その真意を「何度もチャンスをもらいましたし、そこに自分が応えることができなかった」と説明した。

 今季は開幕から左足内転筋、左股関節のケガの影響から極度の不振に陥った。一時は打率2割を切り、明らかに状態は悪かったが、それでも原監督は使い続け、スタメンでは38試合に起用。そのうちクリーンアップでも25試合に起用した。

 原監督は会見で「私が初めて彼を見た時に感じたものと、数字(通算1069安打)は半分くらいだなと。もっとできたな亀ちゃん」と話したように、亀井には2000安打を打てるだけの素質があると見ていた。加えて「困った時の亀ちゃん」と、チームが苦境に立たされた時に力を発揮する精神力を買っていた。ただ、亀井自身の中ではその大きな期待に応えられなかったと感じたのだろう。

 23日・ヤクルト戦(東京ド)の五回、1死満塁の場面で代打で登場。三ゴロに倒れ、悔しそうな表情を浮かべた亀井。直後の守備で慣れ親しんだ右翼の守りに一旦入って、回が始まる前に交代。粋な演出でファンを沸かせ、ナインと抱擁を交わしてレギュラーシーズン最後の東京ドームの出場を終えた。

 だが、CSを勝ち抜き日本一という希望はまだ残されている。「困った時の亀ちゃん頼みというのはまだ卒業しない」と原監督。信頼は最後まで揺るがない。巨人の名脇役が力を振り絞り、有終の美を飾る。(デイリースポーツ・山本航己)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス