【野球】逃げるな、攻めろ ヤクルト投手陣再建 伊藤投手コーチが伝え続けた意識改革

 ヤクルトが阪神とのデッドヒートを制して2015年以来、6年ぶり8度目の頂点に立った。高津臣吾監督(52)は就任2年目で初優勝となった。9月に球団新の13試合連続無敗などで勢いに乗り、最大7ゲーム差をつけられた阪神を逆転。前年最下位からの優勝は、セ・リーグで5度目となった。

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 ヤクルトの投手陣再建の裏には、合言葉があった。「逃げるな、どんどん攻めろ」-。伊藤投手コーチが明かしたのは、先発陣に伝え続けた驚きの意識改革だった。

 真っ先に取り組んだのは、衣川バッテリーコーチと行ったデータの洗い出しだ。(1)ストライク率(2)被打率(3)球種の構成。高津監督にも許可をもらい、今春キャンプから「打たれるのはよしとして、どんどん攻めていきましょう」と投手陣に何度も説き続けた。

 今年のオープン戦ではチーム防御率11位の4・99と散々な成績。それでも「打たれてもかまわない。何が悪かったのか、反省できるじゃないか」と前向きに指導した。シーズンが始まると、今度は登板翌日に2人で反省会。次戦の課題とテーマを共有した。

 ベテランも若手も例外はなし。最年長・石川も、原点に立ち返って直球を主体とした組み立てを模索した。前日の試合映像を、互いに冷静な状態で確認し、「反省会というよりかは、僕が質問する感じ」とそこに意志と意図をプラスさせた。

 抑える日もあれば、打たれる日もある。「一部分だけで見るのではなく、1年間のトータルで考える。打たれた経験は、絶対に生きてくるので」。出発点は、リーグワーストだった昨季の防御率4・61。失敗と反省を繰り返しながら、逃げない気持ちを育て上げた。(デイリースポーツ・松井美里)

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