【野球】大阪桐蔭のスーパー1年生左腕が追いかける2人の先輩左腕の背中

 4年ぶりに秋の近畿王者に輝き、神宮大会への出場を決めた大阪桐蔭。近畿の頂点への道のりで投手陣の軸を担ったのが、1年生左腕・前田悠伍投手だ。秋季近畿大会は3試合に登板し、計17回で失点はわずかに1(自責点0)と圧倒的な投球を見せた。最速145キロを誇るキレのある直球を武器に、強豪を次々と抑え込んだ。

 中学時代はカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会で世界一を経験したスーパー1年生。追いかけるのは、2人の偉大な先輩左腕の背中だ。1人は、同じ滋賀・湖北ボーイズから同校に進み、19年の春夏連覇に貢献した巨人・横川凱投手。「凱先輩の後を追って入りたいと思った」と、大阪桐蔭に進学するきっかけにもなった。入寮前には「まっすぐ通った心を持って練習や試合に臨んだらいい」と横川から心構えをアドバイスされた。「今も大事にしている」と金言を胸に、高校野球生活を送っている。

 もう1人は、今秋のドラフトで日本ハムの7位指名を受けた松浦慶斗投手(3年)。今夏の大阪大会前には、隣のブルペンで投げていた松浦に「ツーシームってどうやって投げますか」と質問。握り方や体重移動のコツを丁寧に教わり、松浦と全く同じ握りのツーシームを習得した。

 近畿大会中には、スライダーの調子が悪いことを松浦に打ち明けると「リリースの直前で指先に100%集中したらいい」と助言を受けた。その後の準決勝・天理戦では、そのスライダー駆使して7回1失点(コールドゲーム)で完投勝利。先輩のアドバイスを吸収し、見事に好投へとつなげた。

 「気軽に聞いてくださるので話しやすいし、同じ左投手として目標にしている」と松浦と師弟関係を築きながらも、「松浦さん越えというか、いずれは勝ちたい」と追いつき、追い越す決意を口にした。

 「最終的には150キロ以上を投げたい。キレとか、しなりを重視して日本一の左投手になりたいです」と前田。まずはチームを秋の日本一に導き、全国に名を轟(とどろ)かせる。(デイリースポーツ・北村孝紀)

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