【野球】巨人・吉川 球団の正二塁手で篠塚以来の首位打者となれるか カギ握る交流戦

 巨人・吉川尚輝(27)は、篠塚和典(64)以来となるチーム史上2人目の首位打者・二塁手となれるのか。カギを握る交流戦での打撃だ。

 今季、二塁の定位置を獲得した吉川が、現時点でDeNAの牧秀悟(24)らと激しい首位打者争いを演じている。5月4日の広島戦(マツダ)では黒原拓未(22)から死球を受けて退場。肩甲骨の骨挫傷と診断されて出場選手登録を抹消された。だが、17日の広島戦(宇都宮)で復帰し、現在は3番打者として、チームの首位争いの原動力となっている。

 その吉川が交流戦に入りやや精彩を欠いている。24日からのオリックス3連戦では12打数2安打、打率・167だ。今季の吉川はセ・リーグの試合では相手5球団の投手を満遍なく打ち込んでいる。特に阪神と広島相手には驚異的な数字を残している。

 阪神戦では12試合に出場し45打数19安打の打率・422、3打点だ。また、10試合出場している広島戦では44打数16安打。打率・390に加え、1本塁打、5打点とこちらもカモにしている。

 入団以来、腰痛に悩まされた時期もあったが、昨季までの5年間で記録した安打数は279本。通算打率は・272で、その打撃技術や打撃センスには定評がある。セ・リーグでの試合とまではいかなくても、交流戦でパ・リーグの投手相手にそれなりの数字を残せば、初の首位打者獲得の可能性も十分だろう。

 もし、吉川が首位打者のタイトルホルダーとなれば、12球団で最も長い歴史を誇る巨人で、2人目の快挙達成となる。巨人では初代二塁手だった故千葉茂さんを始め、故土井正三さんら数多くの守備の名手を産んできた。現在、DeNAの2軍監督を務め、巨人時代4年連続でゴールデングラブに輝いた仁志敏久(50)もそのひとりだろう。

 だが、打撃部門でのタイトルホルダーは、1984年、87年と二度の首位打者に輝いた篠塚しかいない。篠塚は巧みなバットコントロールで、シーズン打率3割以上を5年連続を含め7回も記録。通算打率でも・304というまさに打撃の職人だ。今年の吉川は篠塚と肩を並べるチャンスが巡ってきたことになる。

 だが、交流戦に入ってからも好調を維持しているDeNAの4番・牧という手ごわい相手との勝負を勝ち抜かなくてはいけない。

 吉川は守備にも定評がある。牧との勝負を制すれば、84年に篠塚が輝いた首位打者とベストナイン、ゴールデングラブの3部門独占の可能性も生まれてくる。

 そのためには、これからの交流戦での打撃がカギを握るのはいうまでもない。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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