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【野球】日本ハム・柿木は根尾、藤原に負けないハートの強さが武器 大阪桐蔭・西谷監督「厳しくやりました」

 2018年に甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭のエースだった、日本ハム・柿木蓮投手が11日・中日戦で高卒4年目にしてプロ初登板を果たした。

 バットを2本へし折るなど最速150キロの直球を軸に、1回無安打無失点。投球フォームは上からたたきつけるように投げていた高校時代から、少しリリースポイントが下がった印象だが、直球主体で押す投球スタイルは当時と変わらなかった。

 高校同期の中日・根尾、ロッテ・藤原、巨人・横川は1軍デビュー済み。ただ、柿木はプロ入り後、結果も出ずに苦しんでいた。18年にアマ野球担当だった記者は強気な投球や堂々とした表情が見られて少しほっとした。

 柿木は佐賀県多久市出身ながら、中学時代から大阪桐蔭への進学を熱望していた。大阪桐蔭・西谷監督は懐かしそうに柿木を視察した時の会話を明かしてくれた。

 「『とにかく大阪桐蔭でやりたい、とにかくプロに行きたい』と。その時に明確に言っていたので。そういう志の高い子とやりたいなと思いました」

 技術はもちろんだが、強い意志と覚悟で名門の指揮官をうならせた。西谷監督はその特徴を刺激する指導で柿木の夢をかなえた。

 「いやー、もう厳しくやりましたよ。ハートの強さがありますから。『根尾』というにんじんで釣って。『野手もやってるやつに負けんのか!』って言うとガーっといきますんで」

 優勝した18年センバツは背番号1を託しながら決勝・智弁和歌山戦では根尾を先発させた。さらに続く春季大阪大会ではベンチ入りメンバーから外すなど、“荒療治”で成長を促した。

 「柿木にはハッパをかけるつもりで。ほとんど褒めたことはないですね。根尾にばかりピッチングを教えるので、柿木は何も見てもらえないと思っていると思います。でも、しっかりしているんで。野球に対しては向上心もある子なので」

 プロ入りを決めた後も「引退したらラーメン屋やれよ!」とジョークを交えて尻をたたいていた。それも誰よりも気持ちの強さを理解しているからこそ。西谷監督にとって突き放したり、イジったりすることが柿木への愛情表現だった。

 西谷監督にとって柿木との忘れられない試合は17年夏の甲子園では2回戦・仙台育英戦だという。3年生エース・徳山(現DeNA)ではなく、2年生だった柿木が先発。八回まで無失点で完封目前だったが、1-0の九回に一塁手の“ベース踏み外し”もあって、サヨナラ負けした試合だ。

 「5回まで行ってくれたら御の字だったのが、5回どころか代えるところがなかったですからね。最後はちょっと酷でしたけどね。負けたことは痛かったですけど、あそこから柿木はエースとしてやる自覚が出たと思います」。当時、大きな注目を集めた一戦は、柿木にとって精神的に一回り成長する試合となった。

 記者も柿木の気持ちの強さを感じた場面がある。18年のドラフト会議当日。大阪桐蔭の会議場では4選手が指名を待っていた。

 会議開始直後に根尾が中日1位、藤原がロッテ1位で指名を受けた。柿木も上位指名が予想されていた。だが、なかなか名前が呼ばれない。

 さらに下位指名が予想された横川も巨人4位で指名を受けた。柿木が指名されたのは日本ハム5位だった。その直後、柿木は安堵(あんど)しつつも、少し悔しそうな表情を見せていた。

 根尾、藤原、横川とはまたタイプが違う柿木。持ち前の気持ちの強さで、高校時代のようにファンを魅了していってもらいたい。(デイリースポーツ・西岡誠)

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