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【野球】阪神・湯浅の担当・筒井スカウト「数年後を楽しみに。面白い存在になる」獲得時に活躍“予言”

 阪神・湯浅京己投手が今季、リリーフで大ブレークしている。昨季までの1軍登板はわずか3試合だった右腕が、ここまで23試合に登板して防御率0・82。現在はリフレッシュのため2軍で調整しているが、リーグ戦再開となる17日からは1軍に昇格する見通しだ。

 彼の活躍を見ていると、担当だった阪神・筒井スカウトが湯浅の指名をうれしそうに振り返る姿を思い出す。

 2018年11月。当時、記者は明治神宮大会を取材していた。試合の合間には神宮球場の2階席で筒井スカウトと雑談。同年10月25日に終わったばかりのドラフト会議の話題となった。

 阪神は同年のドラフト会議で湯浅を6位で指名。北信越、東海などを担当する筒井スカウトにとっては、初めての担当選手の指名だった。「僕にとって初めての担当選手ですからね。うれしいことですよ。本当に楽しみ」と目尻を下げた。

 各球団のスカウトは1年間をかけて、担当地区の選手をチェックする。当然、長い期間をかけて調査、視察をするだけに、それぞれのスカウトには思い入れのある選手がいる。

 ただ、球団の補強ポイントや指名選手の巡り合わせで、担当選手から1人も指名されないことがある。2016年限りで現役を引退し、17年から同職に就いた筒井スカウトも1年目に担当選手の指名はなかった。

 記者はスカウト業の苦労や厳しさを端から見てきた。仕事の全ては理解できていないが、担当選手が指名されたスカウトの喜びは総じて大きい。その姿はこちらもほほ笑ましくなるものだ。それだけに湯浅を指名した後の筒井スカウトの笑顔は忘れられない。

 当然、筒井スカウトの湯浅に対する期待は高かった。メモ帳には走り書きで「数年後を楽しみにしていてください。プロ入りする選手はみんな努力していますが、彼も本当に頑張ってきた選手ですから。面白い存在になると思いますよ」と記してあった。現役時代は通算221試合に登板した実績を持つ同スカウトの眼にも潜在能力は光って見えていた。

 湯浅は聖光学院3年夏、チームは甲子園出場を果たしながら腰の成長痛でベンチ入りを逃した。それでも監督からは将来性を評価されており、大学進学などを勧められていた。

 ただ、湯浅の目標は明確だった。「最短でプロ入りする道」を選択。監督の反対を押し切って、ドラフトでの指名まで4年を要する大学、同じく3年を要する社会人ではなく、高卒1年目でも指名を受けられるBCリーグ・富山へ入団した。

 厳しい環境の下、最短で夢の実現を目指す-。筒井スカウトは将来性、実力とともに、その強い覚悟を買っていた。

 また、実家で精肉店を営む湯浅の両親は、幼い頃から食事面などで湯浅の体作りを熱心にサポートしてきた。同スカウトは、湯浅がBC・富山へ入団後も応援に駆けつける両親や、それに応えようと努力する右腕の姿を見てきた。

 コロナ禍の今は筒井スカウトを取材はできないが、今も湯浅の活躍を優しいまなざしで見つめているはずだ。(デイリースポーツ・西岡 誠)

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