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【野球】阪神、阪急の元バッテリーが再会 74歳の高校野球指導者2人が発した言葉はくしくも同じだった

 全国のトップを切って18日に第104回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕予定、甲子園)の出場校を決める地方大会が沖縄で開幕した。ちょうど同じ日、東大阪大柏原対呉港(広島)の練習試合が行われたグラウンドで現役時代に阪神、阪急(現オリックス)でバッテリーを組んだ元プロの高校野球指導者が再会した。

 東大阪大柏原の谷村智啓アドバイザーと呉港の片岡新之介監督。2人は、1947年生まれの74歳、同級生だ。

 谷村アドバイザーは、報徳学園時代に甲子園にも出場し、関学大、鐘淵化学を経て70年度ドラフト1位で投手として阪神に入団。79年オフに阪急に移籍し、85年に引退するまでプロ15年で72勝を挙げた。

 一方、片岡監督は倉敷工、芝浦工大、クラレ岡山を経て捕手として69年度ドラフト5位で西鉄(現西武)から指名を受け、71年に入団。75年オフに阪神へ移り、谷村アドバイザーから1年遅れの80年オフに阪急に移籍。引退する86年までプロ通算16年で344安打、36本塁打を放った。

 現役を引退してから谷村アドバイザーは阪急、オリックスのコーチやスカウトを歴任。片岡監督は広島のバッテリーコーチを長年務め、その後はJR九州やMSH医療専門学校でアマ野球の指導を続け、現在に至っている。

 現役引退後はそれぞれの道を歩んできたが、阪神、阪急で合計9年も同じ釜のメシを食ってきた。久しぶりの再会もすぐに野球談議に花を咲かせた。

 2013年に学生野球資格回復研修制度が設けられ、元プロの高校野球指導が認められた。そして多くの元プロの指導者が高校野球界に就いている。

 その一人でもある片岡監督は「元プロだからといっていいというものでもない。技術指導をする上で確かな根拠を説明できないと指導はできない」という。続けて「高校生は筋力が発達している子とそうでない子がいる。その子の筋力の発達に合った指導をしていかないといけない。そうしないと故障につながる。故障をさせては元も子もない」と指導の基本を話した。

 谷村アドバイザーも投手の腕の振りについて「まずは前の股関節に体重が乗って肩、肘、手首の順番で動いていかないといけない。順番が崩れると故障の原因になる。いくらいいものを持っていても故障してはダメ。故障をしないフォームを教えてあげないと」と、くしくも2人は「故障をさせないこと」を指導の基本としている。

 東大阪大柏原は、オリックス、巨人に在籍していた元プロの土井健大監督が指揮を執る。土井監督就任前から同校の指導をしてきた谷村アドバイザーは、週末を中心に投手陣に助言を送る。確かな理論があり、片岡監督は「投手も指導するけど、一人よがりになってもいけない。投手出身の専門家の目もあると思う」と、谷村アドバイザーに自チームの投手のフォームなどについて詳しく聞いていた。

 練習試合ではベンチで指揮を執る片岡監督とベンチ裏から試合をみつめる谷村アドバイザー。立場こそ違うが、野球に対する情熱は同じ。74歳となり髪の毛は白くなり、シワも増えた。現役時代のように体は動かないが、あの時と同じ熱い思いはある。2人は孫のような高校球児に指導を続ける。(デイリースポーツ・岩本 隆)

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