【競馬】早くも本領を発揮しつつあるC・ホー騎手

レパードSを制したカフジオクタゴンの馬上でサムズアップするホー騎手
タイセイドレフォン(右)に競り勝ってレパードSを制したカフジオクタゴンとホー騎手
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 この夏、自身初のJRA短期免許を取得したチャクイウ・ホー騎手(32)=香港=が、7日に行われたレパードS(新潟)で7番人気のカフジオクタゴン(牡3歳、栗東・矢作)に騎乗して快勝。鮮やかにJRA重賞初制覇を飾った。

 大外枠からのスタートだったが、コースロスなく中団の内からじっくりレースを運ぶと、直線は先に抜け出した1番人気のタイセイドレフォンと壮絶な叩き合い。強力なライバルを首差で競り落とした。レース後には「サンキュー。ありがとうございます。先週はダートはあまり好きじゃないと言ったけど、これでダートのレースがもっと好きになりました」と満面の笑み。「コロナがはやっていたこともあって、近年はなかなかチャンスがなかったですが、ずっと日本に来たかった。たくさんのトップジョッキーがいますし、自分も世界的なジョッキーになりたい」とコメント。日本競馬へのチャレンジを熱望してきただけに、喜びもひとしおだったに違いない。

 そんな香港の名手だが、日本滞在1週目を終えた頃、栗東トレセンでは戸惑いも口にしていた。「日本はスタートからペースが落ち着かないというか、常に速いですね。スタートから『オン』というのが印象で、難しさを感じます。それに新潟のダートはコーナーがシャープだし、他の国と比べても砂が深いのでパワーも必要になる」。レース映像では何度も日本の競馬を確認していたそうだが、実際に騎乗してみて直接肌で感じたズレは少なくなかった。実際に1週目は11鞍に騎乗しながら、土曜新潟12Rのカゼノタニノアヤカ(牝5歳、栗東・安田隆)で挙げた1勝のみ。馬券圏内である3着以内もこれだけだった。

 日本での身元引受調教師の安田隆師は、「ダートもそうですけど、新潟は左回りですから、そのあたりも関係しているのですかね」と分析した。香港におけるメイントラックのシャティン競馬場が右回りであることも指摘。その一方で「実力はトップクラスですから。すぐ慣れるでしょう。心配していませんよ」と前向きに語っていた。

 もともとフランスやイギリス、アイルランド、米国など世界各地を股にかけて活躍してきただけに、適応能力の高さはピカイチ。実際に来日2週目は11鞍に騎乗し、勝利こそ前述のレパードSだけだったが、土曜のメイン・新潟日報賞でもエルカスティージョ(牝4歳、栗東・斎藤崇)で2着に入り存在感を発揮。その他にも3着1回と調子を上げてきた。

 そして今週の小倉記念では、2週連続重賞Vのチャンスがある。有力馬の1頭であるピースオブエイト(牡3歳、栗東・奥村豊)に騎乗する予定だ。同馬を管理する奥村豊師は「トップジョッキーなので不安はないです。信頼しています」と初コンビに期待を込める。真価を見せつつある香港の名手が、再び3歳馬にタイトルをもたらすことができるか。その手綱さばきに注目だ。(デイリースポーツ・島田敬将)

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