【野球】DeNA 宮崎が2度目の首位打者を獲得した極意とは 落合博満、掛布雅之ら一流打者に通ずる流儀

 匠(たくみ)の技を見続けた1年間だった。DeNAの宮崎敏郎内野手(35)がシーズン序盤からの好調を最後まで維持し、打率・326でフィニッシュ。2017年以来6年ぶりとなる自身2度目の首位打者に輝いた。

 好調を支えたのは、最後までぶれなかった「軸」だ。宮崎は「1年間通して自分のスイングを見失わずに、春からやってきたテーマをやり通せたことが1番」と振り返る。143試合という長い旅路を進むと、少なからず好不調の波は必ずやってくる。それでも「技術的なところや気持ちというところで、途中から薄れてくる部分が、今年は体が良い悪い関係なく年間通して継続できた」と、不動の心で迷わなかった。

 今季放った133安打のうち、内野安打だったのはわずかに10個。外野まではじき返す“完璧な安打”を積み重ね、快音を量産した宮崎にはルーティンがある。全体で行われる試合前練習が始まる少し前から、グラウンド入り。黙々と行うのは、素手で行うティー打撃だった。

 「素手で打つと、ティーを打った時バットの音が変わる。高い音に変わる瞬間があって、その音に変われば自分の調整はいいのかなという判断。バットの音と、握った感覚でよし、となる」

 素手で行う打撃練習は、かつて落合博満氏や掛布雅之氏も行っていた一流打者の極意でもある。宮崎もどれだけ暑い日でも、強風でも、この準備を欠かすことはなかった。屋外でできない日は、室内練習場で必ず取り組んだ。安心するために、自信を持つために聞きたい音だ。「それ(スイッチ)を入れるために朝からやっています。その音を鳴らすための早出練習」と意図は明確だった。

 今月12日には35歳の誕生日を迎えた。プロ11年間で培ってきた知識や経験がある。「昔ファームがヒゲ禁止だった。僕はケガしがちだったので、ケガしないためにずっと伸ばしている。これは験かつぎだね」。好調の裏には、日々の努力と過去からの“教え”がある。34歳で手にした首位打者、ベストナイン、GG賞の栄誉が、さらなる進化の序章に感じた。(デイリースポーツ・松井美里)

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