【リング】東京女子プロレス・瑞希 もう一度頂点を目指すワケ「もう私しかいない。積もった気持ちを無視しない」

キュートなポーズを決める瑞希
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 東京女子プロレスの瑞希(29)が2025年1月4日、後楽園ホール大会で渡辺未詩(25)のプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦する。団体最高峰の同王座から昨年10月に陥落後、タイトル戦線から離れていた瑞希が、再び頂点王座を目指すまでの心の移ろいと、王者・渡辺、プリプリ王座、団体への思いを打ち明けた。(デイリースポーツ・藤澤浩之)

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 瑞希のプリプリ王座への思い入れは深い。

 「私、プリプリのベルトってホントに手が届かなくて、何度も何度も挑戦して負けてを繰り返してたんですけど、すごい特別な思いと、大事なものという気持ちもあって、今まで持って来た人たちへの尊敬もありますし、東京女子の一番のベルトだから簡単に手を出せないじゃないですけど、挑戦表明するのにもすごい緊張しますし、ベルトに関わるのに重くも考えます。それぐらい大事だなって。特別なものです」

 王座を奪取するまでと、山下実優に奪われてからの心境を「ベルトを取るまでは、プリプリのベルトに向かっていた。取った時に『やっと取れた』と思ってすごくうれしかったけど、取るまでの期間に大切なものがたくさん見つかったと思っていて」と振り返った。

 大切なものとは、具体的には「ベルトを取るまでに、たくさんの愛をいただいて、たくさんの仲間ができてひとつひとつの感情とか出来事が宝物になっていたし、一瞬一瞬を大事にしていこうと思ったので、自分のできることをと思ってやってきた。一つも手を抜いてこなかったし、常に一瞬一瞬を大事にしていました」という。

 そんな戦いのシフトチェンジを行っていた瑞希を再びタイトル戦線に呼び戻したのは、渡辺の防衛ロードだった。渡辺は今年3月に山下から王座を奪うと、歴代王者の中島翔子に辰巳リカ、フリーの水波綾、外国人のバートビクセンにザラ・ザッカーと強敵を次々と撃破。試合内容も充実しており、いまや絶対王者として君臨している。

 瑞希には「未詩が私と同世代の人たちと戦って防衛している姿を見たり、挑戦して負けてそれでもまた強くなってる仲間たちを見て、心に少しずつ何かがたまっていったというか。誰が未詩を倒すんだろうとずっと思っていたんですけど、もう私しかいないと思ったし、そう思いたかった」という心境の変化が訪れていた。

 山下、中島、辰巳という歴代王者が渡辺に敗れ、瑞希がいつしか最後の砦のようにもなっていた。自身も「瑞希がやって来た!って思ってくれてる人がたくさんいたら心の支えになりますし、選手の人たちも今、瑞希が未詩に行くんだっていうワクワク感を持ってもらえてたらうれしい」と期待を感じている。

 とはいえ、現在の渡辺を崩すのは並大抵ではない。瑞希も「シンプルに尊敬してました。チャンピオンとして戦ってる姿を見てどんどん自信が付いてる姿も見てたし、私がしっかりしなきゃという意志も感じてたので、シンプルにすごいなって思いました」と舌を巻き、「性格の面で言えば未詩の方が強いと思う」とも認めている。

 瑞希は「だけど」と言葉を続け、「尊敬している同世代の仲間が負ける姿を見てすごい悔しかったし、私が出る幕は余計ないなと感じてたのもあって。でも、いろいろ積もった気持ちを無視しないようにした時に、だんだんワクワクしたというか、未詩と戦いたいと思ったし、未詩を倒したいと思った」と、闘魂がよみがえるまでを語った。

 渡辺の強さを「パワーに関しては本人も努力を重ねている自信があると思うし、その自信にウソがないというか、できると思ったらできると思えるタイプなので。気持ちというか心が強いから自分の可能性を信じられてるのかな」と分析。

 自身は渡辺とは「全く違うタイプ。未詩が持ってるものを私は持ってないけど、未詩が持ってないものを私は持っている」といい、「自分の足りないものを付け足すよりも、いま持ってるものを磨いて磨いて戦うのが大事かな」と勝負の鍵を説明。渡辺に勝っているのは「負けず嫌いな気持ちですかね」と笑った。

 当日に向けて、今は「未詩の顔を見た時に何を感じるのかなと思うし、私たちもですけど、見てくださってる皆さんも心が温かくなって帰ってもらったりとか、何か力になったなと思ってもらえるような試合がしたいし、たくさんの人に届けたい」と考えている。

 2025年を「いま来てくださってる皆さんがもう一度来て、楽しいと思って、温かい心になって、また来たいと思ってもらえる興行に毎大会したいし、皆さんが自慢できるような団体にしたいから、皆さんがこれからも自慢できるような団体でありたいし、もっともっと光を強くしてどこまでも東京女子プロレスの空気感を大きくしたい」という年にすべく、瑞希は戦い初めでベルトを巻く。

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 瑞希(みずき)1995年3月16日生まれ、神戸市出身。2012年、LLPW-Xでデビュー(神取忍、井上貴子組-MIZUKI、SAKI組)。2017年から東京女子にレギュラー参戦し、2020年に入団。プリンセス・オブ・プリンセス王座、プリンセス・タッグ王座(3度)を獲得。得意技はアクアマリン、キューティースペシャル、ダイビング・フットスタンプ、渦飴。身長158センチ。血液型A。

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