【野球】なぜ?前広島・岡田明丈が明治安田で現役続行を決断した理由とは 元ドラ1右腕に独立Lや海外からオファーも

 昨季限りで広島を戦力外となった岡田明丈投手(31)が、1日に自身のSNSで社会人野球の明治安田で現役を続行することを発表した。昨年11月の12球団合同トライアウト後は、海外の球団からもオファーが届いていたという。元ドラ1右腕が決断に至るまでの道のりや、その思いに迫った。

 悩んだ末に答えを出したのは昨年の12月末だった。多くの選択肢があった中、「年内に決めたかった」と定めていたリミット直前に決断。明治安田への入団を決めた岡田は「ずっと僕のことを応援してくれていたチーム。一番はほっとしています」と現在の心境を明かした。

 15年度ドラフト1位で広島入団。17年は12勝、18年は8勝を挙げてリーグ優勝に貢献した。だが、21年オフに右肘手術を受け、昨季は背番号123の育成選手として開幕を迎え、7月30日に支配下復帰を果たすも、オフに戦力外通告を受けた。

 現役続行を目指し、昨年11月は12球団合同トライアウトに参加。最速149キロを計測するなど、アピールに成功した。NPB球団から声はかからなかったが、「7~8チームから連絡があった」。明治安田を含む複数の社会人チームやクラブチーム、そして海外からもオファーが届いた。

 トライアウトから約1カ月後の12月中旬には、大きなチャンスが巡ってきた。大阪で米大リーグ傘下の某球団と、台湾プロ野球の某球団、それぞれの関係者の前でブルペン投球や対打者への投球を行う“2度目のトライアウト”が開催された。結果は両球団ともに見事合格。来春キャンプに招待選手として参加する権利を得た。

 それでも心は揺れていた。「海外に行くと外国人枠の関係もあるし、出場機会が確約されていない。家族もいるし、簡単には決められませんでした」。迷う岡田を動かしたのは、ファンへの思いと同僚の声だった。

 現役続行を決めた理由の一つに、応援してくれた人たちへの恩返しがしたいという思いがあった。「まだ元気で投げている姿を見てもらって恩返しがしたい。そうなると国内の方がいいと思いました」。社会人出身の栗林、末包らにも「社会人野球いいよ」と背中を押されたことも、国内を選ぶ決め手となった。

 現在は広島を離れ、東京に移住。トーナメント方式が基本となる社会人野球の戦いに向け、「わくわくと不安が半々です」と笑みを浮かべた。「野球ができることに感謝して、チーム、ファンのために全力で腕を振ります」。新天地で自慢の剛腕をうならせる。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)

 ◆岡田明丈(おかだ・あきたけ)1993年10月18日生まれ、31歳。東京都出身。184センチ、96キロ。右投げ左打ち。投手。大商大高、大商大を経て、15年度ドラフト1位で広島入団。17年には自己最多の12勝を挙げた。23年のシーズン終了後に戦力外通告を受け、育成選手として再契約。24年7月に支配下契約を結んだが、同年シーズン終了後に再び戦力外となった。通算成績は71試合、24勝17敗2ホールド、防御率4・36。

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