【野球】日本ハム・ドラ1柴田獅子 二刀流視野の大器を支える感性と思考とは 大谷翔平の入団時をほうふつ

 日本ハムにまた楽しみな大器が加わった。ドラフト1位の柴田獅子投手(18)=福岡大大濠。投打に高いポテンシャルを秘める最速149キロ右腕は、二刀流を視野に育成される。期待のルーキーに話を聞くと、独特の感性と思考で野球に向き合っていた。

 18歳の頭の中には、興味深い思考が詰まっていた。新人合同自主トレでは、柴田は投手のメニューを中心に、打撃の練習もこなす。二刀流も視野に入る逸材は、成長を目指すアプローチや重視する点も少し独特だった。

 広角に長打を放つ高校通算19発の打撃のポイントは感性だ。左手の小指を浮かせるバットの握り方は、あえて力を入らなくするため。誰かを参考にしたり指導を受けたりしたわけでなく「振り抜きやすいかなって、自分の感覚で思ったので」と振り返る。「力が入らないから飛びます。体の思うままにできる」というしなやかで鋭く大きなスイングは、二刀流の先輩・大谷翔平の日本ハム入団時をほうふつとさせる。

 感性重視の打撃に対し、投球は細かく分析する。ダルビッシュらメジャーや日本のさまざまな有名投手の動画をチェック。「やっぱりすごい人たちの体の動かし方は正しい」と、動き方をまねして実践する。その中から自身に合った動作を取り入れながら、オリジナルのフォームを作り上げているという。

 また、投球のベースとなる考えは「自分がされたら嫌なことが一番嫌。それを相手にするだけ」と、打者の視点を逆手にとること。「あとはそこに投げられる能力と球質、球速があれば。そこからの逆算でやっていければ」と成長への道筋をしっかり描いている。

 自分の考えを理路整然と伝えられる力はすでに十分。反省の方法としてよく用いられる“野球ノート”は「書かない」という。その理由は「書いて覚えるのは、自分の中ではあまり良くない。それって書かないと忘れるってこと」。書くことよりも、データやその時の感情をもとに「聞いて、感じて、やって、染みつかせる感じ」で残ったものが自分にとっての正解と信じて、練習に取り組んでいる。

 入寮時には乗り換えがわからず、羽田空港から直接タクシーで乗り付けた。新人合同自主トレの休日には、買い物帰りにあえて知らない道を進んで迷子になるなど、型にとらわれない行動も目立つ。野球と共通するのは「好奇心が出たので」とトライしてみる冒険好きな精神。二刀流でスタートするプロ1年目に「やりたいことが多すぎて。(投手か野手か)結果どっちの…まだ誰も正解とかわからないので、本当に自分の答えを見つけ出しながらやっていこうと思ってます」と胸を躍らせた。探求心が尽きない逸材の成長曲線は計り知れない。(デイリースポーツ・藤田昌央)

 ◆柴田 獅子(しばた・れお)2006年4月18日生まれ、18歳。福岡県出身。187センチ、87キロ。右投げ左打ち。投手。庄内中、福岡大大濠を経て、24年度ドラフト1位で日本ハム入団。最速149キロのスケール感たっぷりの本格派で、昨年夏の福岡大会初戦では5回参考ながらノーヒットノーランを達成。高校通算19本塁打の打撃も魅力。

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