【野球】阪神・原口を支えてきた、若虎時代からの努力の証が詰まった“宝物” 「もうカビが生えているけど」

 サヨナラを呼ぶ右前打を放つ原口(2024年7月7日撮影)
 鳴尾浜で安打を放つ原口(2011年4月26日撮影)
 育成選手時代の原口(2013年3月31日撮影)
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 国内フリーエージェント(FA)権を行使して阪神残留を決断した阪神・原口文仁内野手(32)は、若手の頃からノートに気づきを書くという習慣を大切にしてきた。

 今でも欠かせないルーティンだ。「試合中、気になったことはある程度メモしておかないと」。打席に立った瞬間、自分が何を感じたか。相手投手がどんな球を投げてきたのかなど、事細かに気づいたことを書き込む。

 2009年ドラフト6位で帝京高から入団し、今季で16年目。1年目の頃から記してきたノートは、今も段ボールの中にまとめて取ってあるそうだ。「もうカビが生えているけどね」と苦笑いしつつ、こう明かす。

 「引っ越しの時だったりにちょっと見返したりして、あの時はこういう気持ちでやっていたなって思い返す。若い時、2軍でやっている時(の感じたこと)がやっぱり大事なのよ」

 メモを見返すことで、当時の気持ちや打席での考えを思い返し、次の打席につなげられることが大きいという。「それが1年間の集大成にもなるし、その次の年にもまたつながる」。その真面目な姿勢、野球への取り組みが、ここまでのプロ生活に生かされてきた。

 原口といえば、育成選手の立場を経験し、19年1月には大腸がんを公表。その病に打ち勝ち、今も打席から勇姿を届けている。活躍の裏側には、地道に書きためてきたノートの存在があった。努力の証だ。

 いつの日だったか「もう一回20歳くらいになって、野球をやりたい。若くなりたいなあ」とつぶやく原口の姿があった。常に高い向上心を持ち、根っからの野球好き。33歳シーズンも“若々しく”、熱いプレーが見られることを楽しみにしている。(デイリースポーツ・関谷文哉)

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