【野球】元世界一ボディービルダー・鈴木雅が巨人に起こした“筋肉革命” 岡本の肉体「破格の数値」
ボディービルの元世界王者が巨人に“筋肉革命”を起こした。4年前にチームに加入した鈴木雅氏(44)。日本選手権で9連覇し、世界選手権優勝も果たしたボディービル界のスターが巨人の肉体を支えている。
2021年、当時2軍監督を務めていた阿部監督は選手の体作りに注力。ウエートトレーニングと栄養の指導ができる人材が求められる中で鈴木氏が招かれた。スクワットなど基礎種目のフォームを指導し、ウエートトレーニングの“入り口”に立って選手の肉体をボリュームアップさせるのが主な役割。就任当時と比べると「ウエートトレーニングをやる選手が増えましたね」と選手の意識向上に手応えを感じていた。
今ではトップボディビルダーが見ても目を丸くするほど、質の高いトレーニングを各選手が行っている。「ボディビルダーが精いっぱいやっても1年で増える筋肉量は2、3キロと言われている」と鈴木氏。ただ、井上は昨年と比べて筋肉量は4キロ増え、主力の岡本も5キロ以上増加。特に岡本は身長比に対する筋肉量を示す「FFMI」という数値で26・8を記録。現役時代の鈴木氏が27・5であり、世界一となったボディビルダーの肉体に迫る数字を残したという。
「破格の数値をいっていますね。真剣にやらないとそこまでいかない。相当真面目にトレーニング、食事をやっていますね」と鈴木氏。筋肉量がまだまだ伸び盛りの若手も多い中、“鈴木イズム”が宿ったウエートトレーニングがチームに浸透している。
戸郷には宮崎の自主トレにも帯同して密着指導。24歳右腕の活躍をトレーニングの面から支えている。21年から4年連続で20試合以上に登板し、先発として大きなけがもなくフル回転。鈴木氏は「ここ2、3年をけがしないでやっているのもウエートトレーニングをしっかりやっているからこそだと思う」とうなずいた。
自身はボディビルダーとして第一線から退いてはいるものの「戸郷を教えていたりするとプレーヤーっていいなっていう。(また大会に)出てみようかなという気持ちにさせてくれるような感じがあります」と現役復帰も考えさせられるほど、選手から刺激を受けているという。野球経験者でもあり、「(指導は)楽しいですよ」と充実感をにじませた鈴木氏。巨人の筋密度をさらに高めていく。(デイリースポーツ・北村孝紀)