【野球】国士舘大進学、川口市立・宇田川健の“7年計画”とは 兄のオリックス・宇田川優希に劣らぬポテンシャル開花へ「プロを意識しています」

 東都大学野球2部リーグに所属する国士舘大の新入生が21日に初練習を行い、川口市立の最速145キロ右腕・宇田川健(たける)投手が参加した。兄は23年WBC戦士のオリックス・優希。同じ舞台に立つべく、大学での成長を誓った。

 「7年計画くらいのつもりで、将来的に育ってくれれば…」

 昨夏、川口市立の鈴木久幹監督(現部長)は宇田川について、こう言及している。もちろん、エースとして甲子園出場を目指す中ではあるが、右腕自身も高校は土台作りの3年間と捉えた。「プロは意識しています。自分の夢をかなえるために高校では下積みが一番大事だと思ったので、走り込みや体作りを第一に考えました。何よりケガをせずに長期的に行うことが大事」。秘めた潜在能力を開花させるべく、次は大学での4年間へ臨む。

 国士舘大進学の決め手は、23年から指揮を執る長井秀夫監督が、自身の高校1年時に川口市立の総監督を務めていた縁だ。「長井さんは選手と良い距離感でいてくれるというか。話しやすさもありますし、教え方もインプットしやすくて」と師事。「焦らず、4年間で自分の理想に近づけるように」と信頼を寄せる指揮官の下で鍛錬を積む。

 指標の一つとなるのが、兄の存在だ。身長186センチ、体重85キロの恵まれた体格は、高校当時の兄をしのぐ。八潮南で部長として優希を指導した川口市立・市川大恭コーチは「優希とはリリースからの雰囲気やフォルムは似ていますが、高校3年時の体格や自己管理の面は健の方が良い。ピンチをピンチと思わないメンタルは、プロに入ってからの兄ちゃんの姿をほうふつとさせる」と評している。

 「似せるつもりはなく自然体で投げてるんですけど、兄弟というのもあって似ちゃってるのかな」と健。兄に勝っている部分を問われると「兄と手比べをした時に自分の方が大きかったので、それはうれしかったです。(メリットは)ボールを長く持てる」と笑った。プロ選手の弟として、いやが応でも比較されることは多いが「マイナスな気持ちになるんじゃなくて、比べられると言うことは、少しプロという存在に近いと見られてるということだとプラスに考えて、自分のモチベーションにしています」と成長の糧として捉える。

 年末年始には帰省した兄と再会し「犬を飼っているので一緒に遊びました」とほほえましいエピソードも披露。それぞれ口にはしないものの「お互いにコツコツ努力していれば、お互いの理想の道に進めると信じ合っていると思う」と信頼し合える存在だ。「WBCで優勝した時やオリックスが日本一になった時の貢献をまた見せてくれたらなと思っています」とエールも送った。

 2部とはいえ、戦国東都に属するチームのレベルの高さは理解している。「自分より体が大きかったり強豪チームから入ってきていたりする同期の中で、少しでも多くアピールしたい」と右腕。武器は直球と兄直伝のフォークだ。「大事な場面で三振がとれる強気な投球をして、1部を目指すチームの中で大事な存在になれるように」。大輪の花を咲かせるべく、一歩ずつ着実に歩みを進める。(デイリースポーツ・間宮涼)

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