【野球】阪神・富田 3年目の大飛躍“村上ロード”狙える 先発もリリーフも調整順調
開幕まで残すところ3週間。阪神の富田蓮投手(23)が、佳境に入ってきた先発ローテ争いを制する可能性を残している。チーム方針でキャンプから先発とリリーフの両にらみで調整。2年前には同様のケースで、村上が中継ぎでシーズンインを迎えたが、4月につかんだ先発チャンスを生かして大ブレークを果たした。“村上ロード”も狙える立ち位置でアピールを続ける。
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昨年のシーズン終わりから胸に抱いていた思いが、現実味を帯びてきている。「先発でやりたい」-。昨季はすべて救援で33試合に登板した富田だが、今季は先発ローテの1枠をつかむために奮闘を続けている。
「疲れてきた時に真っすぐが前にはじき返されることが多かった。真っすぐの強さと、右バッターのクロスファイアに決めきれない場面が多かったので、その精度を意識してきました」。昨季の反省を踏まえた取り組みが実を結びつつある。
今春は実戦4試合に登板して、計7回無失点と好投の連続。結果を積み重ねても、初のローテ入りへ油断はみじんもない。「無難な成績ではなく圧倒的な数字を出して、そこ(ローテ)に入り込みたいと思います」と決意を示す。
ここまでの実戦は最長2イニングだったが、7日のオープン戦・DeNA戦(甲子園)では3イニングを予定。この時期にイニング数が伸びるということは、先発としての期待に他ならない。金村投手コーチも「持ち球からしても先発タイプだと思っています」と適性を認める。カット、スライダー、カーブ、フォークを操ってきたが、今年はチェンジアップの習得も目指している。
開幕ローテは村上と才木が当確で、西勇とビーズリーもほぼ確定。残り2枠を巡って、新外国人デュプランティエや門別らがしのぎを削っている。大竹は下肢の違和感により2軍調整中で、伊藤将も3試合連続失点と状態が上がらない。左腕不足の解消へ、富田に白羽の矢が立つ可能性も十分に残されている。
23年には村上がローテを狙ったが、結果的にリリーフとして開幕。1試合の救援登板を経て、先発起用された4月12日の巨人戦(東京ドーム)で7回完全投球と立場を一変させた。あくまで開幕ローテを狙う富田だが、リリーフと両にらみでの調整も意に介さない。「(難しさは)全くないですね。先発でしっかり抑えていれば、中継ぎに入ってもある程度まとめられると思います」と頼もしい。
「結果を残しても課題は出てくる。それを少しでも減らして、もっともっと完成度の高い状態で開幕を迎えられたら」。村上がかなえた“プロ3年目のブレーク”へ、明るい兆しが見え始めている。(デイリースポーツ・丸尾 匠)
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