巨人・戸郷の投球フォームから感じるメッセージ レンズ越しに見た他の投手との違い
投球フォームにメッセージ性を感じる。新人王の呼び声が高い巨人・戸郷翔征投手(20)である。
27日、東京ドームで行われた巨人対中日22回戦に先発し、7回無失点の好投で今季8勝目を挙げた。一塁側カメラ席から撮影していて改めて感じたのは、投球フォームの特異性だ。
プロ野球界(NPB)を見渡すと、ヒジから上げるテイクバックの投手が多い。ボールを握る手が体に隠れ、打者から見てボールの出どころが見えない。クイックモーションに適している、などの利点がある。一塁側から撮影すると、テイクバックよりもボールをリリースする瞬間から、腕が体に巻きつくフィニッシュが画になる。
戸郷の場合はリリースやフィニッシュよりも、センター方向に大きくテイクバックする瞬間が最も力感があり画になる。おそらく打者は、円盤投げのような遠心力を効かせたダイナミックなフォームに威圧感や打ちづらさを感じているはずだ。
高身長で手足が長い戸郷は自分の長所を最大限に生かした投球フォームを身につけ、結果を出している。固定観念にとらわれず、自分の長所を生かすことが大切。そんなメッセージをダイナミックな投球フォームから感じた。(デイリースポーツ・開出牧)