今季初のバッテリーを組んだロッテ・佐々木朗希と松川虎生に垣間見た、プロの厳しさ
プロの厳しさを感じさせる光景だ。今季初のバッテリーを組んだロッテ・佐々木朗希投手(22)と松川虎生捕手(20)が、重い空気が漂うベンチで向き合っていた。
22日の対日本ハム(ZOZOマリンスタジアム)の5回終了後、ベンチで言葉を交わしていた。ピッチングや配球についての会話だろう。一回に味方が2点先制したが、三回に清宮に同点の右前適時打、レイエスに勝ち越しの右犠飛を許し逆転された。四回2死満塁から荻野が四球を選び同点に追いついたが、五回にまたも清宮に左越え適時二塁打を打たれ勝ち越された。ひさしぶりのタッグで生じた溝を、言葉で埋めようとしているようにも見えた。
2022年4月10日の対オリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)の最終回、熱気と興奮に包まれたスタジアムで偉業を達成した瞬間が、私のまぶたに焼きついている。完全試合達成という、プロ野球史に名を刻む偉業を達成している黄金バッテリーだ。しかし、その後はけっして順風満帆とは言えないプロ野球人生だ。今季はコンディション不良による2度の登録抹消で、ローテーションの一角を担う先発投手として期待に応える活躍ができていない佐々木。課題のバッティングを克服するため昨年に続いて2軍生活を送り、ようやく1軍に昇格した、2021年のドラフト1位・松川。輝かしい栄光とは裏腹に、それぞれプロの壁に直面している。
初回、佐々木は先頭の水谷に161キロのストレートを投げ、スタンドを沸かせた。打者3人で終えた時は、黄金バッテリーだけに、どんな快投を見せるのかと期待が膨らんだが、6回4失点で降板し、負け投手となった。チームは2位争いをしている日本ハムに3連敗を喫した。
重苦しい空気が支配するベンチで言葉を交わす黄金バッテリーに、プロの厳しさを垣間見た。切磋琢磨(せっさたくま)して、プロの壁を乗り越えてゆく姿を見たい。(デイリースポーツ・開出牧)