「沖縄のドクターK」こと沖縄尚学・末吉良丞投手にロマン 汗を飛ばす169球を激写!
汗を飛ばす169球に、“ロマン”を感じた。「琉球のドクターK」こと沖縄尚学の2年生左腕・末吉良丞投手だ。
17日に行われた3回戦の対仙台育英に先発し、11回9安打3失点12奪三振の完投勝利。炎天下のマウンドで仙台育英・吉川陽大投手との壮絶な投げ合いを繰り広げ、どちらが勝ってもおかしくない緊迫した試合展開で、延長11回までマウンドを譲ることなく169球を投げきった。
初回からネット裏から撮影していたが、気温が上昇する午前9時過ぎの5回のマウンドは、シャッターを切る度に液晶画面をのぞき込んだ。投げる度に「琉球のドクターK」から大量の汗が飛び散った。選抜にはない、夏の甲子園ならではのシーンだ。
そんな暑さの影響もあったのだろう。1死二塁から“連続死球”で満塁のピンチを招き、4番の川尻に右前2点適時打を打たれ逆転を許した。ここで2年生右腕の新垣有に交代してもおかしくなかったが、末吉はピンチのマウンドで動じることなく笑顔すら浮かべていた。沖縄特有の楽天的なたくましさがにじみ出ていた。甲子園のマウンドを心から楽しんでいるかのようだった。そして5番の和賀を遊ゴロに打ち取り追加点を許さなかった。
6回以降はランナーを出しながらもキレのあるストレートと高速スライダーで要所を締めた。味方が11回に仙台育英の吉川陽大から2点を奪い勝ち越した。その裏、併殺で2アウトを取り、打席に迎えたのは、最後まで投げ合った吉川だった。一発出れば同点の場面で二ゴロに打ち取り、会心の笑みを浮かべた。見応えのあるエース同士の投げ合いだった。151球の吉川陽大を上回る169球の熱投。灼熱(しゃくねつ)の甲子園のマウンド。飛び散る汗に、“ロマン”を感じた。(デイリースポーツ・開出牧)





