むやみに多機能トイレを使ってはいけない理由 求められるオストメイトへの理解と配慮

 先日、お笑いタレントの松本人志さんが大腸がん手術と人工肛門(ストーマ)の造設を公表され、大きな話題となりました。松本さんは公表の際、「世の中にはストーマをつけている人がたくさんいる。もっとこの存在を知ってもらいたい」と自らの思いを明かされています。

 ここで求められるのが、オストメイト(人工肛門・人工膀胱を持つ方)への理解と配慮です。がんの位置や広がりから肛門を温存できない場合の永久的なストーマだけでなく、手術箇所の縫合不全予防や、腸閉塞を回避するために一時的に造るケースも多くあります。憩室炎などの良性疾患にも造設されることもあります。

 括約筋がないため排泄を自分の意思でコントロールできず、おなかに装着した専用パウチで便を受け止めます。このパウチ内の処理や装具の交換、汚れた皮膚や衣服の洗浄を行うのが「オストメイト対応設備」です。

 設置場所としては、駅や空港、高速道路のサービスエリア、大型商業施設や自治体などの多機能トイレが挙げられます。トイレの案内板などにある人のイラストのお腹の位置に+マークがついた記号が目印です。単なる手洗い場ではなく、オストメイトの方の外出を支える大切な設備です。

 適切な装具と設備の支えがあれば、術後も仕事への復帰や旅行、温泉などの入浴も含めた日常を維持できます。我々には設備の意味を正しく理解し、広いからといってむやみに多機能トイレを使わない配慮が求められますね。

 ◆西岡清訓(にしおか・きよのり)兵庫県尼崎市の「にしおか内科クリニック」院長。呼吸器、消化器疾患を中心に一般内科診療などを行っている。

編集者のオススメ記事

医療コラム最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス