パソコンや携帯など指の使い過ぎに要注意 スムーズな屈伸運動ができなくなる「ばね指」
指を曲げたり、伸ばしたりする際に引っかかるような違和感がありませんか?
あれば、それはもしかして「ばね指」と呼ばれる指に発症する腱鞘炎(けんしょうえん)かもしれません。
指を屈伸させる時に、急にカクンとくる、ばねのような動きをすることからこの名が付いたようです。他にも「弾発指」とか「スナッピング・フィンガー」とも呼ばれています。
腱鞘(筒状)と腱は関節を動かすたびにこすれあっているのですが、指を酷使することで、こすれる部分に炎症が起き、スムーズな屈伸運動ができなくなってきます。
仕事やゴルフなどスポーツをする人、音楽家などで指や手をよく使う人に多く、最近ではキーボードやスマートフォンの入力作業のし過ぎでなる人も増えています。
また、女性ホルモンが関与していることから妊娠後期や更年期の女性でばね指になる人も少なくありません。
ばね指を予防するには、指を使う頻度を減らすことが重要です。指や指先を酷使しないように日頃から注意し、手を休めるなど休息が必要です。
また、お風呂などで指部分をよく温めて、指や手を中心にマッサージなどをするのは効果的です。
ばね指になったら炎症の緩和を最優先に、指をあまり使わないように安静にすることが重要です。加えて、関節が固まらないように温めながら伸展ストレッチ運動などを行うといいでしょう。
症状によっては、局所に消炎鎮痛塗布剤やパップ剤などを使用することもあります。痛みが強い場合にはステロイド注射も考えられます。そして、再発を繰り返すようならば、手術をすることもありえます。
指に違和感があれば、早めに専門医に相談してください。
◆尾原 徹司 東京医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センターを経て、神戸鐘紡病院消化器科に赴任。昭和57(1982)年に独立し、医療法人社団つかさ会「尾原病院」(神戸市須磨区妙法寺荒打/神戸市営地下鉄西神山手線妙法寺駅徒歩3分)院長に。